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大横綱・千代の富士の引退Xデー取材にマスコミが押し寄せ…“35歳、手負いのウルフ”が土俵人生の窮地で見せた「信じられない強さ」とは 

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荒井太郎

荒井太郎Taro Arai

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posted2023/04/02 17:10

大横綱・千代の富士の引退Xデー取材にマスコミが押し寄せ…“35歳、手負いのウルフ”が土俵人生の窮地で見せた「信じられない強さ」とは<Number Web> photograph by Getty Images

人気と実力を兼ね備え、角界で初めて国民栄誉賞を授与された第58代横綱・千代の富士。本人の証言を交えて、稀代の名横綱の現役晩年に迫った

18歳の貴花田が対戦圏内に躍進

 35歳になっていた第一人者は土俵人生の窮地に追い詰められていたが、逆境になると信じられない強さを発揮するのもまた、この横綱であった。蓋を開けてみれば、初日から12連勝。13日目は霧島の吊り出しに土がついたが、翌14日目、旭富士を寄り切って5場所ぶり、31度目の優勝を決めるとともに幕内通算勝ち星が804となり、北の湖と並ぶ史上1位タイ(当時)となった。

 いよいよ大鵬の優勝回数まであと1と肉迫したが、翌3年初場所は左上腕二頭筋部分断裂により、3日目から休場。続く春場所も全休を余儀なくされたが、この場所で18歳の貴花田が大ブレーク。優勝も争う活躍で12勝をマークし、史上最年少三賞にも輝き、敢闘賞、技能賞のダブル受賞で翌夏場所は初めて横綱、大関対戦圏内に躍進した。

<後編へ続く>

#2に続く
「『千代の富士引退』ってテロップがサザエさんのおでこに」まさかの速報に本人も仰天…千代の富士“伝説の引退会見”はこうして生まれた

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