武蔵丸の辛口御免 Oh!相撲BACK NUMBER
“ご意見番”武蔵丸の苦言、横綱大関ゼロの異例場所「貴景勝は最初から休場でもいいんだよ」「公傷制度復活、僕は反対…ズル休みが出ちゃう」
text by
武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide
photograph byJIJI PRESS
posted2023/03/29 11:00
大相撲春場所の初優勝から一夜明け、桜の下で喜ぶ新関脇・霧馬山(モンゴル出身)
10日目まで10連勝した翠富士は、それまで面白い存在だったけれど、上位陣相手に5連敗しちゃった。チビっこいのによく頑張ったよ。でもさすがに優勝はないだろうと思ってた。得意の肩透かしも、上位陣には通じないよな。
新入幕で敢闘賞を受賞した金峰山だけど、周りにマークされていなかったこともある。なんだか、左手一本で押していて、右手を全然使わない相撲なんだよな……。
同じく新入幕の北青鵬は身長が2メートル4センチもあってスケールが大きいけれど、まわしを取ったあとに、なぜか何もしないんだよ(笑)。まわしを取って立ってるだけなんだよなぁ。 動きが遅いから、もうちょっと攻めてほしいな。将来が本当に楽しみなお相撲さんだよね。
朝乃山は「やはり稽古が足りていないってこと」
十両優勝を逸ノ城にさらわれた朝乃山。力は相変わらず強いんだけれど、動きが遅いんだ。体が重そうなんだよな。前に出る動きがないし、千秋楽の落合戦では勝ったものの、当たっても差してもいないんだ。脚が揃ってしまって前に出てないし、落ちる相撲が多いというのは、やはり稽古が足りていないってこと。ウエイトトレーニングのし過ぎもよくないんだよ? これ以上体に余計な筋肉をつけ過ぎないこと。じゅうぶんに力はあるんだから、あとは稽古をするだけだ。みんな期待しているんだから、今のままじゃもったいないよ。
さて、大阪場所では飲食や声援も普段どおりに戻り、「ぶっ飛ばせ~!」とか、お客さんたちの応援の声もエキサイトしてて、聞いてて笑っちゃうくらい。大阪の人ならではなんだよね。汚いヤジはいただけないけれど、活気があって「大阪に来たな~」という感じだった。楽しすぎたのか、酔っぱらってそこらへんで寝てるオジサンもいたけどね(笑)。
もう、横綱大関の価値観が以前とはまったく違っていると僕は思ってる。横綱大関がたとえいなくとも、誰が優勝するか最後までわからなくて全体的に面白い場所だったと思うよ。日によって、それぞれのお相撲さんが自分の持っているものを出し切って、見せてくれていたように思うんだ。
みんなお疲れ様でした。少しでも大阪を楽しんで東京に戻って来てよ!
(構成=佐藤祥子)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。