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「WBC、アメリカでも視聴者数69%アップだった」米国メディアは“ニッポン優勝”をどう報じた?「オオタニもトラウトもいるのに…なぜ弱い?」エンゼルス記者は嘆く
posted2023/03/24 17:16
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Naoya Sanuki
日本のテレビはWBC一色。このまま、3月30日からのレギュラーシーズンに突入しそうな勢い。
そこで気になるのが、敗れたアメリカの論調。きっと、野球の母国というプライドはどこかにあったはずだから、2位という結果をどう受け止めているのか、と気になったのである。
まずはニューヨークタイムズから。なんと大谷絶賛の嵐だった。
「オオタニのユニフォームは土にまみれていた」
【ニューヨークタイムズ タイラー・ケプナー記者 “Baseball’s Unicorn Made the W.B.C. ‘Real’”】
9回表、クローザーとしてマウンドに立った大谷のことをケプナー記者はこう描写した。
「身長6フィート4インチ、筋骨隆々のクローザーがマウンドに上がったが、他のクローザーとは一線を画していた。すでにユニフォームは土にまみれていた。大谷翔平はすでに4回打席に立ち、そしてマウンドへと向かったのだ。
これは、なんとも偉大な姿だった」
最後の一行の原文は、“This is how greatness looks”である。あなたなら、どう訳すだろうか。
ケプナー記者は、大谷がWBCという大会で、とある「三冠」を達成したと指摘する。
・誰よりも、打球の初速が速かった 118.7マイル(チェコ戦の二塁打)
・誰よりも、速い球を投げた 102マイル(準々決勝のイタリア戦)
・誰よりも、ボールを遠くへ飛ばした 448フィート(1次ラウンドオーストラリア戦)
この数字を見せられると、改めて大谷という選手のスケールの大きさを感じる。まさに世界一の選手だったのだ。
アメリカ監督「オオタニはユニコーンだ」
大谷がこの試合、そしてWBCという大会に大きなインパクトを与えたことを伝えた後、対戦相手であるアメリカのマーク・デローサ監督がWBCを戦っての振り返りが続く。
「この大会はリアル――本物だ。WBCはホンモノだよ」
これは、アメリカでWBCが軽んじられていたことの裏返しである。一線級の先発投手に関しては参加を見送っていたし、昨季のアメリカン・リーグのMVP、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)がいないのも、球団の事情、意向の反映とみるべきだろう。
それはともかく、緊迫感溢れる決勝で、大谷は世界中の視線を集め、見事に試合を、そしてWBCを最高の形でしめくくった。デローサ監督はこう続ける。