2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
松本人志さんから「いい根性している」発言も…M-1・3位ロングコートダディの本音「僕らの優勝はないだろうな…」「僕ならさや香に入れていた」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2023/03/26 17:20
結成13年、2年連続での決勝進出を果たしたロングコートダディ。堂前透(ネタ作り担当、写真左)と兎。吉本興業所属
兎 僕たちはないだろうなと思っていました。ウケ量的にもネタの内容的にも。
堂前 僕らの漫才はコント漫才なので、漫才の賞レースでは内容ではあまり勝負ができないんですよ。ウケ量で勝つしかない。でも、ウエストランドが最高にウケていたので、もうないよなという感じでした。
兎 内容的なものでいったら、2本目にやるかどうか迷っていたもう1本のネタの方がよかったと思うんです。ただ、ボケ数が少ないので、ウケ量が弱い。それで最後までどちらをやるか決めかねていたんです。
――もう1本の方のネタをやっていたら、どういう結果になったか気になりますね。
堂前 でも僕はM-1はしゃべくり漫才のコンビに獲って欲しいなと思いました。
――勝てなくてもいいわけですか?
堂前 謎のジレンマが発生していましたね。
兎 言ってること、めっちゃわかるな。もちろん、ウケ量で圧倒すればコント漫才でもなんでもいいんですけど、僕が審査員だったら、今大会はさや香に入れてましたね。
「いとこい先生の漫才が理想ですね」
――でも今大会、ロングコートダディのお陰で、漫才の解釈がより一層、広がったのではないですか。
堂前 どうなんだろう。去年よりは広がった感じはしますけど。
――兎さんは前大会のあと「好きなのはコントやけど、向いているのは漫才やったんかな」とも話していました。これからも漫才を続けるとして、2人はどういう漫才を目指していこうとしているのですか。
堂前 いとこい先生ですね。
――「上方漫才の至宝」と呼ばれた兄弟漫才コンビ、夢路いとし・喜味こいしのことですよね。しゃべくり芸を完成させたとも言われています。