2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「じつは走り出した瞬間に“肉離れ”したんです」M-1・3位ロングコートダディが語る、あのマラソン漫才ネタ“テレビには映らない”過酷ぶり
posted2023/03/26 17:19
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Ichisei Hiramatsu
結成13年で2年連続のM-1決勝。最終決戦で3位だったロングコートダディのインタビュー。「じつは走り出した瞬間に肉離れしましたから…」、あのマラソンネタのウラには知られざる苦労があったと明かす。【全3回の2回目/#1、#3へ】
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「20秒残しだったので…」大吉さん発言のウラ側
――1本目の『マラソン』は、出だしで兎さんが「レベル高い! 世界大会すごい!」って叫ぶところで、もうウケ始めていますよね。目をむくというか、ちょっと変な顔をするじゃないですか。
兎 ほんまですか? ごめんなさい。変な顔をしているつもりはまったくないんですけど。
堂前 あそこは変な顔でよかったですね。
兎 もともと変な顔みたいに言うな。
――あのネタは、舞台を縦に大きく使うというのが視覚的に新鮮でしたよね。2人が交互にいろんなランナーに扮し、舞台の奥からマイクに向かって走って来るという。
兎 最初は横に動いていたんです。でも、それだと間延びするし、ネタ時間も長くなってしまう。あと、絵的にわかりにくいところもあって。それで縦に使うことにしたんです。
――あれだけ動きが大きいネタになると、ステージの奥行きによっては、なかなかうまく表現できない場合もあるのではないですか。
兎 そういう意味でいうと、M-1の舞台がいちばん狭かったんです。だから、(審査員の)大吉さんに「20秒残しだったので」と指摘されてしまって。
堂前 咄嗟に「ネタ合わせし過ぎて足が速くなってしまって」って返したんですけど、舞台のスペースの問題で、いつもよりも走る距離が短くなってしまったんです。
アイデアは2人で出し合うんですか?「そうですね」「いや」
――あのネタはいろんなタイプのランナーが全部で11人出てくるんですよね。
兎 20秒あったら、もう1人ぐらい入れられたかもしれませんね。
――いろんなパターンを考えて、最終的にあの11人に絞られたわけですか。