2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
さや香に本音を聞きたい…M-1敗者復活戦あの伝説のネタ“からあげ4”「あれは本気で勝ちにいった?」「負けたけど、めっちゃ暑かった」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/03/19 17:02
結成8年で2回目のM-1決勝だったさや香。石井(ボケ担当、写真右)と新山(ツッコミ・ネタ作り担当)
新山 どうなんですかね……。ウエストランドの影響ですかって聞かれ過ぎて、そうだったのかなって思うぐらいの感じもありますけど。ただ、2回目も1回目と同じように「どうも、さや香です。よろしくお願いします」ってガッツリ言う必要あんのかなとちょっと迷ってしまって。言おうかな、言わんとこうかな、って。それもあったと思います。真相は自分でもわからないところがあるのですが。
――ちょっとぐらい言い間違えても一般の人は意外と気づかないものだと思うのですが。私も正直、気づきませんでした。それでも、少なからずネタに影響してしまうものなのですか。
新山 そこまで大きく変わることはないと思うんですけど、最初、焦るは焦りますよね。気付いたお客さんも、不安になると思うんで。
石井 僕も一瞬、フワってなりましたね。
新山 でも、2本目もしっかりウケていましたし。1本目の方が完成度は高いので、多少、落差はあったのかもしれませんけど。なのに、ネットとかだと、2本目はさや香、めっちゃスベったからなみたいな言われ方をしてるんですよ。いや、スベってはいないと思うんですけどね。
――他のファイナリストの取材では、あのとき、さや香が優勝だと思ったという芸人がけっこう多かったんです。実際のところ、2人の感触はどうだったのですか。
新山 (ファイナルジャッジ前に)審査員が悩んでいるのを見て、負けたなと思いました。
――審査員たちは演出というか、ポーズとして悩むものなのではないですか。
新山 いや、そういう感じではなく、ほんまに迷っている感じやったんですよ。芸人は悩んだら、悩んだ方に入れると思うんです。優勝にいちばん近いAという組がいて、途中で、Bという新たな候補が出てきた。そうしたら芸人はBを選ぶ。それが芸人の性なんで。
石井 僕も空気的にウエストランドにけっこう入るやろなとは思っていました。ただ、3票対3票で並んだら、ルール上、ファーストラウンド1位の自分らが勝てるなみたいなことは考えていたんですよ。なので、1票だけだったか……とは思いましたけど。
――結果が出たときの率直な思いは?
新山 しゃあないなっていう気持ちですかね。悔しさみたいなのはあんまり出てこなかった。
石井 優勝はしたかったんで、シンプルに悔しかったですね。番組が終わってからも、ズーンと来たので。
「からあげ4」は本気で勝ちにいった?
――でも、まだ7回出場できます。