2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
さや香がM-1の真相を告白「僕らもビックリしました」テレビに映っちゃった…あの“口論シーン”のウラ側「事前に何も聞いてなくて」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/03/19 17:00
結成8年で2回目のM-1決勝だったさや香。石井(ボケ担当、写真右)と新山(ツッコミ・ネタ作り担当)
石井 年々、空気は柔らかくなってきている感じはしますよね。2017年は周りが先輩ばっかりで、こっちが緊張していたというのもあると思うんですけど。
――変わったということで言えば、いちばん大きな変化は、2人のスタイルです。M-1に限っていうと、ツッコミとボケが入れ替わったのは2021年の3回戦からでしたよね。
新山 M-1では、あれが最初でしたね。
――ときどき、そうやってボケとツッコミを入れ替えてみたという話を聞きますが、大抵、うまくいっていない印象があるのですが。
新山 ほとんどうまくいってないと思います。僕が覚えている範囲だと、ハマカーンさんぐらいですかね。それまでは浜谷(健司)さんがボケだったんですけど、2012年に「THE MANZAI」で優勝したときは、どちらかというと神田(伸一郎)さんがボケになっていました。
――今大会の『アナザーストーリー』で、2021年の予選中、2人がインタビューを受けているときに、石井さんがボケをやることに対して消極的な態度を示したために2人がけっこう強い口調で言い合うシーンが映っていました。あれは少しびっくりしました。
石井 僕らもびっくりしました。あのシーンが使われていたことに。事前に何も聞いてなかったんで。
――でも、そうやって予選中に変更できるくらいなので石井さんは器用なのでしょうね。
石井 ネタを書きたくないんでね。そのぶん、しゃべりの方でがんばるしかないという感じです。ただ、あのときはいきなり言われて、僕もできる気がしなかったので。
――さや香はいつもウケてる印象があるので、スタイルを変更するというのは相当、勇気が必要だったのではないですか。
新山 いや、そんなことはないですし、ウケるウケないよりも勝たんとしゃあないという方が大きかったですね。関西の賞レースでも、そんなに勝てていなかったので。2017年のM-1でやった『歌のお兄さん』というネタも相当、自信があったんです。
「このスタイルはもう限界なんだな…」
――歌のお兄さんになりたいという石井さんが子どもの歌を歌い始めると、その歌を知らなかった新山さんが異常に高いテンションで乗ってくるというネタですよね。