2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
さや香がM-1の真相を告白「僕らもビックリしました」テレビに映っちゃった…あの“口論シーン”のウラ側「事前に何も聞いてなくて」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/03/19 17:00
結成8年で2回目のM-1決勝だったさや香。石井(ボケ担当、写真右)と新山(ツッコミ・ネタ作り担当)
新山 めちゃめちゃおもしろいと思っていたし、準決勝もいちばんウケたぐらいやったと思うんです。でも決勝では、(審査員)7人中5人がちょうど90点で、結果は7位。あのときはショックでしたね。「僕は知らん」から入って、オーバーアクションで返していくというネタはもう一ついいのがあったんですけど、『歌のお兄さん』の方がおもしろかったので、このスタイル自体がもう限界なんだな、と。そのあと、自分がバーッと思っていることをしゃべりまくるスタイルも試してみたんですけど、それも2年くらい結果が出なくて。だったら、今度はボケとツッコミを入れ替えてみようかなと思ったんです。
――21年の3回戦のネタを観たとき、最初、入れ替えているとは思わなかったんですよね。途中で、あれ、入れ替わってない? と。
新山 それくらい違和感なくシフトできたということがでかかったんです。たとえば錦鯉の(長谷川)雅紀さんとかは笑わせにいくボケだと思うんですけど、僕が相方に求めていたのは笑われてしまうボケ。変な言い方をせずに、自然に言うだけでいい。その方がリアルな感じが出て、おもしろいんです。
――決勝1本目に披露した『免許返納』も出だしが難しそうですよね。いかにも普通な感じで言わなければならないので。
石井 今まで、そういうボケをやったことがなかった。なので、できているかどうかは今も探りながらという感じです。
新山 スリーピースのスーツ着ているやつが、いかにも正しいことを言っている雰囲気を出しつつ、「34歳で免許を返納しました」ってサラって言う。あそこの出だしでウケへんかったら終わりのネタなんです。僕、漫才の録音を聞き直したりするんですけど、やっぱりあそこは面白かった。だから絶対ウケるやろなと自信はありました。
<続く>
(写真=杉山秀樹)
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