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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「ニッポンの野球にビックリ」あのWBC米記者が帰国前に語った“日本野球への本音”「阪神ファンはスゴい」「なぜゲンダは“トヨタ出身”なの?」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byGetty Images
posted2023/03/18 11:03
「日本のお菓子」の情報発信で話題を集めたマイケル・クレア記者(35歳)にインタビュー(後編)
クレア 文化を知るという意味では、日本も同様です。たとえば日本代表の源田壮亮選手。それまでほとんど知らなかったのですが、ショートの守備力は衝撃でした。メジャーでもなかなか見られないレベル。彼に興味を持って調べてみると、「トヨタ自動車」出身と書かれていてビックリした。そこで日本には社会人チームというものがあるということを初めて知ったんです。こうして他国のユニークな野球文化、システムを知ることができるのもいいなと思いましたね。
――そうした海外の方の視点から自国の独自性に気づく、という面もありますよね。
クレア それで言えば、日本野球の応援文化も感激でした。楽器を使った大声援の攻撃時とは一変、守備時は静かになる。完全に分かれているのが興味深かった。メジャーにはない文化ですが、あのスタイルはとてもクール。特にお気に入りは村上宗隆選手の応援歌で、いまもメロディが頭から離れない(笑)。アメリカが真似すべき文化と思いますね。
それと、これは余談ですが、大阪の強化試合で日本と対戦した阪神。このチームのファンはすごいですね! 大谷選手らスター擁する代表チームとの試合となれば、勝敗は問わず日本代表を応援すると思っていたのですが、彼らは違った。あくまで阪神を応援するんだと。応援の迫力も圧巻で、こんなに愛されている球団があるというのも驚きでした。(熱狂的なファンで知られる)カブスだったらこんな雰囲気になるのかな、とか想像してましたね。
野球の未来は明るい
――今後ますますWBCが盛り上がっていくといいですね。
クレア すでに2026年の開催が決定していますし、世界的な認知度という点でも少しずつ高まっています。今大会、初出場のチェコ、イギリスがWBC初勝利を収めた。野球人口の減少も叫ばれているけれど、こういう世界大会で少しでも関心を高めたい。少なくとも私は、野球の未来は明るいと考えてますよ。
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