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「ヌートバーは日本の野球に慣れようと…」近藤健介が語る“本当のスゴさ”…ジョークとジェスチャーが生んだ「たっちゃん&コンちゃんの絆」 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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posted2023/03/16 17:17

「ヌートバーは日本の野球に慣れようと…」近藤健介が語る“本当のスゴさ”…ジョークとジェスチャーが生んだ「たっちゃん&コンちゃんの絆」<Number Web> photograph by AFLO

打線では1、2番を担い、守備でも良い連携を見せているラーズ・ヌートバーと近藤健介

近藤「コミュニケーションも取りやすい」

 試合になれば人一倍熱いプレーを見せるヌートバーに、近藤は助けられているという。1次ラウンドでは、初戦の中国戦、第2戦の韓国戦でいずれも勢いよく飛び込みながらスーパーキャッチ。球際に強いうえ、状況判断にも優れた「たっちゃん」は、広い守備範囲を安心して任せられる存在だ。

「(ヌートバーが)センターで本当にアグレッシブにプレーしてくれるので、僕はライン際の方だけを強く意識していればいい。コミュニケーションも取りやすいし、意志が伝わってくるので守りやすいんです」

 初戦の中国戦こそ、近藤が本塁へ悪送球する場面があったが、その後の3試合で外野陣は失策なし。ライトの先発候補だった鈴木誠也が左脇腹痛で大会直前に出場辞退するハプニングもなんの、徹底したコミュニケーションで鉄壁を貫く。

打線では「大谷翔平の前」の大役を担う2人

 攻撃面でも、最高のタッグを組んでいる。1番・ヌートバー、2番・近藤の並びが機能し、1次ラウンドの4試合では、ヌートバーが14打数6安打4四球で出塁率.579、近藤は15打数7安打5四球で出塁率.600と揃って絶好調だ。二人が同じイニングで共に打席に立った攻撃回は16回あり、そのうち12回はどちらかが出塁。3番に控える大谷翔平の打席を前に確実にチャンスを作っており、「コンちゃん」と「たっちゃん」で実に14得点と、畳み掛けるような攻撃を成功させている。

 近藤が振り返る。

「1、2番がしっかり塁に出て、翔平以降で確実に点が入るように。打線がきちんと“線”になるよう、円滑に進むことを心がけています。ヌートバー選手がしっかりとボールを見て球数を投げさせてくれるので、ネクスト(バッターボックス)でも準備しやすい。自分の打席につなげられる前の打者がいるというのは大きいです」

 球数制限のあるWBCでは頻繁に投手が交代するため、打席ごとに初顔合わせの投手と相対することも多い。事前のデータも少ないため、打者は瞬時にボールの特徴を把握するのに苦労するものだが、リードオフマンのヌートバーがしっかり球を見極めてくれることで、次打者の近藤も相手投手を知る余裕ができる。

【次ページ】 近藤が語るヌートバーの凄さ「日本の野球に慣れようと…」

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