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チェコ史上初の「野球テレビ中継」、選手の本業は「地理教師・消防士・金融アナリスト」…WBCチェコ代表を“絶対好きになる”話
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/03/11 11:02
予選大会で快進撃を続け、下馬評を覆してWBC本大会初出場を決めたチェコ代表。知れば必ず「応援したくなる理由」とは
「東京の街だね。あらゆるものがギシギシに詰め込まれているところ。こぢんまりとした場所にあまりにも多くのものが並んでいて、駅とかいたるところに人が溢れている。こんな光景、今まで一度も見たことがなかったよ。日本の食べ物は……実は魚が苦手で口に合うものはまだ見つかっていないんだけど(笑)。でも日本の文化は大好きさ」
チェコ史上初の「野球TV中継」だった…
チェコ代表の選手たちは大会が始まる1週間前に来日し、鉄道を使ってすぐに宮崎入り。合宿と練習の日々を過ごして8日に東京に到着した。未知なる世界大会に参戦する彼らにとって、大会前に日本を楽しむ余裕はないのだろう。「相撲を見たい」とノリのよかったジーマでさえ、オフのショッピングは「野球の道具を買いにスポーツショップに行っただけ」という。
それもそのはず。彼らがWBCを楽しみにしている理由は「初出場だから」だけではない。出場が決まってから、チェコではにわかに野球の注目度が高まり、WBCのチェコ戦がテレビで放送されることになったのだ。大使館によれば、チェコ史上初めての“野球のテレビ中継”である。
自分たちの活躍次第で、国内の野球人気が高まるかもしれない。そんな使命を彼らは背負っている。シュナイダーは言う。
「僕は仕事を休まなければここには来られない。だけど職場のみんなも家族も、僕らがこの大会で戦う意味を理解してくれて、送り出してくれたんだ」
だから……と一呼吸置き、語気を強めてこう締めた。
「僕たちはプロのつもりで戦うよ」
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