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関脇・豊昇龍の告白「なんで叔父さんの話ばかり? 正直イヤなんです」…“朝青龍の甥”と呼ばれ続けた23歳の矜持「誰の真似もしたくない」

posted2023/03/12 11:01

 
関脇・豊昇龍の告白「なんで叔父さんの話ばかり? 正直イヤなんです」…“朝青龍の甥”と呼ばれ続けた23歳の矜持「誰の真似もしたくない」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

関脇の地位で勝ち越しを続け、次期大関候補として注目される豊昇龍。「朝青龍の甥」という枕詞がついて回ることについて本音を語った

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飯塚さき

飯塚さきSaki Iizuka

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Asami Enomoto

いま最も勢いがあり、次期大関候補の一人と目されている関脇・豊昇龍。先の初場所はケガに泣かされ、千秋楽になんとか勝ち越すにとどまったが、今年中にさらにひとつ上の番付に上がる可能性は大いにある。そんな逸材が胸に抱いた“ある葛藤”とは。相撲界の頂を目指す23歳が、NumberWebのインタビューに本音で答えた。(全2回の1回目/後編へ)

「ねえ、なんでいつも叔父さんの話になっちゃうんですか。正直に言うと、イヤなんです」

 真剣な眼差しでそう語るのは、元横綱・朝青龍を叔父にもつ立浪部屋の豊昇龍だ。土俵上での負けん気の強さや体のしなやかさ、気迫あふれる表情などは、どうしてもあの名横綱を彷彿とさせてしまう。角界においては、偉大すぎる叔父の名。しかし、自身もすでに一人の力士として戦い続けているのだ。だからこそ、軽々しく引き合いに出してほしくない――。

2年前に語っていた「叔父さんの名前を下げたくない」

 筆者が初めて豊昇龍と出会ったのは、およそ5年前の相撲教習所での取材だった。まだ線が細く、髷も結えない青年が、土俵外でも黙々と体を動かし汗を流していた。稽古後の書道の時間に、筆者のカメラに向かって「上手でしょ?」と向けてくれた爽やかな笑顔を、いまも忘れてはいない。

 その後、2021年8月。東京オリンピックの真っただ中に、単独でインタビューする機会があった。7月場所では10勝を挙げ初の技能賞を獲得。眼鏡をかけて、うれしそうにニコニコ話す無邪気な姿が印象的だった。

 当時、さまざまなメディアで「朝青龍の甥」という冠がつくことが気になっていたため、率直に彼自身の胸の内を聞いてみた。「叔父さんの名前がついて回ることに関して、どう思っていますか」と。

 すると、彼はこう語った。

「自分が頑張らないと元横綱の叔父さんの名前が下がるから、頑張って持ち上げていきたい。やっぱり、入門してからずっと自分の名前の前に叔父さんの名前がありますから。もし、自分が横綱・大関になったらそれも変わるかもしれないけれど、いまはとにかく自分の前に叔父さんの名前がついているので、それを下げたくない。そういう思いでやっています」

【次ページ】 豊昇龍の相撲に明確な「型」がない理由

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