「ヨシダは評判通り」吉田正尚はボストンと日本の熱い期待に応えられる？ 誠也離脱の侍ジャパンに心強い“グッドラック精神”と“静かな存在感”

　アメリカの大地で“メジャー1年目”、“ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）”という2つの大目標に備えた今春――。人生でも最も重要かもしれない季節の前半を終え、吉田正尚の表情は晴れやかだった。

　WBCに向けた帰国前日の3月1日、今季から所属するレッドソックスのキャンプ地、フロリダ州フォートマイヤーズで強い日差しに照りつけられながら、充実した表情で初体験のメジャーキャンプを振り返った。

「初めてアメリカのキャンプに参加して、いろいろ新しい発見などありましたし、すごく有意義な時間を過ごせたと思います。日本に帰ったら次は侍のユニフォームを着て、世界一に向けて、メンバーと一緒に戦っていけたらいいなと思います」

　決して派手ではなく、大胆な物言いも好まないが、静かに言葉を選びながら本当に思っていることを話す。29歳の吉田の“有意義な時間を過ごせた”という言葉は、決して口先だけのものではなかったはずだ。2月上旬に渡米以降、メジャー最高級の名門チームの一員として様々な新しい経験を積み重ねてきたからだ。

本拠地の“名物”グリーンモンスターの対策にも時間を割いた吉田正尚　©︎Getty Images

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レジェンドと会話、スーパーボウルも観戦

　打撃練習時には持ち前のパワーと技術を披露し、守備では本拠地フェンウェイパークの巨大フェンス“グリーンモンスター”を模したフェンスでクッションボールの練習に励んだ。ペドロ・マルチネス、ダスティン・ペドロイアといったレッドソックスの“レジェンド”たちとも顔を合わせ、積極的に言葉を交わした。フィールド外ではプエルトリコ人のチームメイトのスーパーボウル観戦パーティに参加し、プラタノ（料理用バナナ）やナマズのような日本ではなかなか食べられない珍しい食事にも挑戦した。オープン戦（＆練習試合）が始まってからは、“1番”、“4番”といった重要な打順でパワフルな打棒を披露した。

「初めての環境の中でプレーし、ケガなく無事に来れたことはよかったかなと思います。今後、いろいろ課題も出るし、やりながら学ぶこともたくさんある。また新しいことが続くので、すべて受け入れて過ごしていけたらと思います」

　そんな吉田の言葉からは、当初は手探りだったスプリングトレーニングで新しいことにトライし、確実に前に進んだという自信も見て取れた。

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