「日本的に言えば、『1番バッターが出塁したら、2番はバントでスコアリングポジションにランナーを進める』っていう自己犠牲が大事なんでしょうけど、僕はあんまりサイン出なかったですね。王（貞治）監督が選手をうまく生かしてくれたと思います。結構、アグレッシブに戦ってたんじゃないですかね」

――これらを踏まえて、西岡さんとして今回の栗山英樹監督に求めることは？

「選手がいかにプレーしやすい環境を作るかだけじゃないですか。栗山監督もそこはわかっていると思います」　

©Hideki Sugiyama

メジャー組起用はなぜ難しい？

――そう考えられるのは、独立リーグの北九州下関フェニックスでプレーイングマネージャーを務められていることもある。

「それはありますね。僕は選手がミスしても怒らないようにしてるんです。例えば、2アウト満塁で見逃し三振したとするじゃないですか。その原因ってベンチ以上に選手が考えて、反省してるはずなんです。人によっては『ミーティングで怒られるかな？』とか、それを引きずりながらプレーするかもしれない。だから僕は、試合後ではなく翌日に反省点を話し合うんです。お互い頭がクリアになった状態で『いい経験になったやろ』みたいに諭したほうが、選手もスーッと話が入ってくると思うんで。もちろん、独立とジャパンは一概に比べられないですけど、そういう環境づくりって大事じゃないかと思います」

――監督は選手起用という大きな決断も担いますが、その点はいかがですか？

「やっぱり、メジャー組をどう起用するかがカギになるわけですけど、栗山監督はじめ首脳陣はなんも断言できないと思います。ファンのみなさんからすれば現実的で夢のない話かもしれませんけど、メジャーの選手には大きなお金が動いてます。大谷選手であれば約43億円の1年契約、ダルビッシュ選手も6年で140億円ほどの大型契約を結びましたよね。ということは、所属球団からすれば、WBCで彼らに怪我をしてほしくないわけです。ジャパンとしてはそこをどう加味して起用するかですよね。もしかしたら、球団からの制約で彼らはフルに出場できない可能性だって否定はできないわけです」

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――そういう事情があるにせよ、最強の「個」が集まった今大会で軸となる選手を挙げるとすれば、メジャーリーガーになりますよね？

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