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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「クボは賢く、ラテン気質なユーモアも」ソシエダ監督やファンに大人気…番記者が“久保建英をガチ評価”「マドリー復帰は噂話の域だ」
text by
ロベルト・ラマホ/ディアリオ・アスRoberto Ramajo
photograph byNurPhoto/Getty Images
posted2023/02/25 17:02
レアル・ソシエダで好調をキープする久保建英。番記者の目にはどう映っているのか
「ゴール前ではもっと落ち着かなければならない。トップレベルの選手に飛躍するためには、もっと多くのゴールとアシストを積み重ねる必要がある。チームメートが作ってくれたチャンスの数を考えれば、今日はゴールを決めなければならなかった」
イマノルは誰よりも久保にホレ込んでいる
ベルナベウでの活躍もあり、デビューするチャンスすら与えなかったレアル・マドリーの界隈では、退団からわずか半年にして久保の復帰を望む声が聞こえはじめている。
だが、久保がそんな噂に耳を貸すことはない。イマノル・アルグアシル監督も「彼はラ・レアルの選手。ここで続けることを望んでいる」と断言し、久保の未来がチュリウルディンと共にあることを強調している。
イマノルは誰よりも久保に惚れ込んでいる1人だ。2つのシステムを併用する指揮官にとって、久保はパーフェクトな人材となっている。とりわけダビド・シルバが負傷離脱して以降、イマノルは試合展開に応じて采配を振る際に多くの場合、久保を介して戦術的変更を施すようになった。
左右両サイドに加え、中央ではメディアプンタ(日本で言うトップ下)、インテリオール(インサイドハーフ)、そして2トップの一角まで、久保はあらゆる攻撃的ポジションでのプレーが可能だ。しかもどのポジションでも高いパフォーマンスを発揮し、スペクタクルなハードワークを約束してくれる。イマノルにとっては神の恩恵のような存在である。
ミケル・オヤルサバルが負傷離脱した1年前、イマノルは4-3-3から中盤ひし形の4-4-2にシステムを変更した。指揮官のアイデアが素晴らしかった点は、それまでなかったトップ下のポジションにシルバを据え、攻撃の全権を委ねたことだ。
バルサ、マドリー相手にシルバの代役を務めた価値
そのシルバが不在だったカンプノウとベルナベウでの2連戦において、イマノルは迷うことなく久保を代役に据えた。バルセロナ、レアル・マドリーとのアウェー戦で、ワールドカップ優勝を経験した世界的名手の代役を任される。ラ・リーガ・サンタンデールで3位につける強豪チームで久保が成し遂げていることの価値は、日本の人々にも想像できるはずだ。
ベルナベウのピッチで、久保は古巣相手に彼らが手放したものの大きさを示すべく、素晴らしい戦いぶりを見せた。スタートは4-4-2のトップ下に入り、トニ・クロースをマークする地味な役回りを全う。執拗にプレッシャーをかけ続けることで古巣の司令塔を辟易させただけでなく、マイボール時にはワンタッチでボールをさばいて自軍のポゼッションに貢献した。