2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
2年連続M-1決勝で人力舎も“最多タイ記録”なのに…事務所社長にホメてもらえなかった真空ジェシカの告白「2000円が払えず、M-1失格になりかけた」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2023/02/12 11:15
結成10年で2年連続M-1決勝出場となった真空ジェシカ。川北茂澄(ボケ、ネタ作り担当、右)とガク(ツッコミ担当)。おぎやはぎやアンタッチャブルと同じ人力舎所属
ガク 僕が先に会場に着いたんですけど、たまたま持ち合わせがなくて。でも、前の年、決勝に行っていたお陰で、お金を払わずに強行出場するようなことはないだろうと思ってくれたみたいで、楽屋には入れさせてくれたんです。でも、そこにいてください、と。エントリーナンバーのシールはまだもらえませんでした。それでマネージャーが来てくれて、払ってくれたので事なきを得たんです。
――でも、想像するに、「ああ、真空ジェシカさんですね。2000円は、後でいいですよ」とはならないんですか。
ガク シビアでしたね。本来はダメなんですけど……、という感じで。
川北 そこは26番という番号が効いたのかもしれませんね。前のめりな感じを、M-1への誠意と捉えてくれたかもしれない。
ガク 6000番台とかだったら、金もないし、やる気もなさそうだなと思われていたかもしれない。
「決勝6回」人力舎“最多タイ”なのに…
――ちなみに、今年の準決勝のときの手応えはどうだったのですか。けっこうドキドキしながら発表を待っていたのですか。
川北 ラッキーっていう感じでしたね。余裕で通った、という感じではなかったと思うので。おそらく会議で、最後の最後、真空ジェシカか? 令和ロマンか? みたいな感じになっていたと思うんですよ。で、たまたま真空ジェシカの方に意見が傾いているときに時間がきちゃったんでしょうね。もう会議を終わりにしないとダメだから真空ジェシカでいいか、と。令和ロマンには申し訳ないことをしました。
ガク 令和ロマンと競ったという情報の根拠は何もないですけど。ただ、会議の時間が長引けば長引くほど、僕らって落としたくなりそうな気はする。
川北 去年も見たし、って。人力舎だし、って。
――今大会、真空ジェシカがファイナルに進出したことで、吉本以外の事務所の決勝進出回数において、人力舎はワタナベエンターテインメントの6回と並んで最多タイになったんですよね。
川北 ワタナベはほとんどハライチさんですよね。
――ハライチ5回、ザブングル1回です。
ガク 人力舎は、おぎやはぎ、おぎやはぎ、アンタッチャブル、アンタッチャブル、真空ジェシカ、真空ジェシカ。
川北 でも、いいですよね。せめて3組いたら。
――事務所的にも快挙だと思うのですが。社長からは、褒めてもらえたのでは?