一方、戸上のチキータレシーブを止めきれなかった張本も、戸上のフォア前に精度の高いサーブを集めてチキータ封じに努めたが徐々に対応され、戦術転換できないまま最後の第6ゲームも戸上のチキータに沈められた。

試合後、張本は連覇を達成した戸上と健闘を称え合った　©︎JIJI PRESS

「ゲームポイントを取った時に全て自分のサーブからの展開だった。サーブの工夫だったり（サーブから）3球目の待ちだったり悔やまれるところは多い」と張本。

　対する戸上は球質やピッチの速さが合い、サーブ・レシーブからも先手を取りやすい張本との対戦は「相性的にも良い。自分に分がある」としながらも、「相手が中国人選手となった時はまだ（張本選手のように）実力が発揮できない」と冷静に自己分析した。

張本に次ぐ“確固たる2番手”はまだ不在

　東京五輪後、男子日本の大黒柱だった水谷隼が引退。五輪3大会に連続出場した丹羽孝希も日本代表から退き一気に世代交代を迎えた。

　20歳前後が中心の新世代の核となるのは張本だが、それに次ぐ確固たる2番手はまだ不在だ。

　そのポジションを巡り激しさを増すパリ五輪選考レース。大量ポイントが見込まれる今年5月の世界選手権ダーバン大会（個人戦）に戸上は張本らとともに出場し、「結果を残して世界にアピールしたい」と意気込む。

　今度こそ、卓球日本を背負うために。