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元関脇豊ノ島ら有能な人材が退職。年寄名跡制度をめぐる複雑な事情。
posted2023/02/04 09:00
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph by
JIJI PRESS
初場所を目前に控えた1月4日、元関脇豊ノ島の井筒親方が、日本相撲協会を電撃退職した。2020年4月の現役引退後は、先代井筒親方(元関脇逆鉾)の遺族が所有する年寄名跡を借り、時津風部屋に所属する部屋付き親方となっていた。昨年、先代の長女が志摩ノ海と結婚し、いずれ井筒の名跡を引き継ぐための退職だと推測される。
後進の指導はもちろんのこと、協会発信のSNSやイベントでもタレント性を発揮し、活躍していた人気若手親方の退職に、角界内外から“年寄名跡制度”に物言いがついている。
定数105の名跡を手に入れられなければ、親方として協会に残れない制度によって“土俵外に押し出された”状態だ。元豊ノ島だけでなく、昨年来、元小結松鳳山、元小結千代大龍、元前頭豊山が引退し、次々と相撲協会を退職。それぞれに第二の人生をスタートさせているが、名跡に空きがあったならば、今後の人生の選択もまた違ったかもしれない。