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中村俊輔も注目した“198cmの二刀流高校生”「課題はあるが…」水沼貴史が期待する理由とは? 選手権3ゴール&「写真撮ってください」

posted2023/01/03 11:02

 
中村俊輔も注目した“198cmの二刀流高校生”「課題はあるが…」水沼貴史が期待する理由とは? 選手権3ゴール&「写真撮ってください」<Number Web> photograph by AFLO SPORT

198cmの高い打点から奪った3ゴールやFW&DFの二刀流で話題を集めた日大藤沢・森重陽介。選手権8強入りは逃したが、大きなインパクトを残した

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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 高校サッカー選手権もベスト8が決まりました。101回大会の頂点に立つのはどのチームか。さらなる熱い戦いを期待したいところです。

 優勝候補同士の対決が多かった3回戦の中で、私は等々力競技場で行われた日大藤沢(神奈川)vs神村学園(鹿児島)の試合の解説を担当しました。注目が集まっていたのは、やはりストライカー対決。ドイツ・ブンデスリーガ1部ボルシアMGのセカンドチームへの加入が決まっている神村学園のエース福田師王(3年)と、清水エスパルスへの加入が内定している198cmFW森重陽介。両チームのエースに仕事させまいと“パスの出所”を封じ込めた中盤の攻防が激しい好ゲームでした。

 そんな拮抗した試合を打開したのが“森重の高さ”でしたね。日大藤沢DF宮崎達也(2年)の質の高いコーナーキックにドンピシャで合わせたヘディングシュートで今大会3ゴール目。あの圧倒的な打点はスゴいの一言。相手DFもお手上げ、SNSでも話題になっていました。封じ込められてもセットプレーで武器を発揮できる。プレッシャーのかかる試合で結果を出す。やっぱり“持っている”選手でしたね。

 神村学園にPK戦の末に敗れ惜しくも大会を去ることになりましたが、インパクトを残した大会ではなかったのではないでしょうか。

応援リーダー・中村俊輔も注目

 今年の選手権応援リーダーを務める中村俊輔も「背が高いのに重心が低い」と注目選手に挙げていましたね。その高さはもちろん、試合途中からセンターバックをこなす“二刀流”でも話題になりました。これは日大藤沢・佐藤輝勝監督の「どちらの可能性も潰したくない」という指導方針があって実現できたこと。チームには有竹翔悟(3年)といったスーパーサブの役割に回った9番の選手もいましたから、指揮官として色々な面でケアする必要があったと思います。

 もちろん“二刀流”は本人の意欲がないとできないことではありますが、いい環境の中でサッカーに打ち込むことができた3年間だったのでしょう。

【次ページ】 ヴェルディ仕込みのキック技術

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