「腐ってもプロレスラーなので」

「もしかしてこの団体に上がるんじゃないか、この選手とやるかもっていうワクワク感が楽しいですよね。コスチュームの準備してる写真をツイッターに上げると、みんなが“今日もどこかに乗り込むのか？”ってなったり。対戦カードにXがあると“ウナギなんじゃないか”と思われたり」

　どんなことでもあり得るから楽しい、というわけだ。「とにかくやりたい相手がたくさんいる」から、自然に動きも活発になる。

　実は、この“ギャン期”のスタート地点は昨年だ。ウナギにとっては初出場だった「5★STAR GP」に、長与千種率いるマーベラスのエースである彩羽匠も参戦。インパクトを残した。

「スターダムはもちろん凄い。でも彩羽匠は衝撃でした。他の団体にもこんなラスボスみたいなヤツがいるのかって。いろんな団体を見ていくと“ここにはこんな人がいるのか”ってなる。そしたら試合したくなるじゃないですか。私も腐ってもプロレスラーなので。“こいつどんだけ凄いんだ？”ってなる」

彩羽匠に衝撃を受けたウナギはマーベラスにも参戦

ウナギの行動は「都落ち」ではない

　これまでもウナギはツイッターで気になる選手に絡みまくり、それがいま現実になっている。スターダムでは絡みのなかった仙女にまで上がることになった。誰も予想できなかったことだ。

「リーグ戦が終わって“なんとかしなきゃ”と。じゃあ何をするかといったら、みんながやらないことをやりたかった。これからは海外の選手もたくさん来るし、やりたいヤツがたくさんいる。なのにスターダムで待ってるだけじゃ何も掴めないなと。今はいろんな団体がある。海外の試合も見られる。ファンはいろいろ選択できるし、自分も選択したい。その中で“こいつヤバいな”と思われたいですね。これまで見てなかった人にも見つけられたい」

今回のインタビューで“ギャン期”の内実について語ったウナギ

　リーグ戦が2勝10敗という成績で終わり、そこで欲したのが“外”での闘いだった。団体は違ってもプロレスはプロレスだ。

「大会に乗り込んで試合させろって言うのは、まあ怖いですよ（笑）。でもリングに上がっちゃえばこっちのもの。今は“他団体”っていう言葉にも違和感がありますね。他も何もない。どの団体もプロレス界じゃないですか」

　ウナギがスターダム以外の団体に上がることを「都落ち」と書いたメディアもある。しかしウナギの感覚としては、プロレス全体がスポーツ、エンターテインメントの“都”なのだ。

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