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「オオタニかジャッジか、僕はどちらかを選べない」MLB記者が苦悩した歴史的MVPレース“究極の2択”、決め手となったのは…?
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2022/11/19 17:23
オールスターで共演したジャッジ(左)と大谷。ハイレベルなMVP競争の決め手になったのは…
投票した各記者の判断基準は個々人によるため、究極を言えば分からない。ただ、近年はセイバーメトリクスなどで成績が細かく数値化されるようになったため、印象ではなく、明確な根拠として判断される傾向が強くなった。今回の場合、代替可能選手と比べてどれだけ勝利数を積み上げたかを示す「WAR」が、メジャー最高値の10.6をマークしたジャッジに対し、大谷は同2位の9.6(投手6.1+野手3.5)だったことが指標となった可能性は高い。
さらに、ヤンキースが99勝を挙げて地区優勝を飾った一方で、エンゼルスは早々とポストシーズン争いから脱落し、73勝89敗と大きく負け越したことで、勝利への貢献度と成績の価値を加味したとも推測される。
大谷「来年以降も数多くここに来られるように頑張りたい」
圧倒的な成績を残したジャッジの受賞に異を唱える声は聞こえてこない。その一方で、前人未踏の領域に入った大谷を称賛する声は、昨年以上に高まった。
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投票結果が発表された専門局「MLBネットワーク」の番組にリモート出演した大谷は、今季の成績を笑顔で振り返った。
「個人的には、すごくいいシーズンだったと思います。ここ(番組)に呼ばれていることで、来年以降も数多くここに来られるように頑張りたいと思います」
今回は「後世に語り継がれるMVPレース」と言われるほど特別なシーズンだったが、来季以降、大谷が同じような成績を残せば、再び最右翼に挙げられることは間違いない。大谷自身、「数多く来られるように」と意欲を見せるように、将来的に複数回受賞する可能性は十分にある。
来季以降、今季のように歴史的なシーズンが繰り返されるとすれば……。
一部のメディアでジョーク交じりに提案された「新たな賞」の制定が、ひょっとすると現実味を帯びるかもしれない。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。