濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「フェリス卒のお嬢様vsセクシー女優」は熱戦に…スターダム人気女子レスラー・桜井まいの色気と狂気「私は“大人の魅力”で勝負できる」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2022/11/18 11:01
『NEW BLOOD 5』で実現した桜井まいvsちゃんよた
“フェリス卒のお嬢様vs.セクシー女優”は、大会でも1、2を争う熱戦になった。試合を終えた桜井に話を聞くと、正直なところ「スターダムを背負って他団体の選手を迎え撃つ」とまでは意識できなかったそうだ。それでも、今の自分はスターダムの選手なのだと強く感じたし、テーマのある試合を「任されている」という気持ちは強かった。団体に感謝しながら、このチャンスで何を掴み、何をアピールするか考えた。
「前より貪欲になったと思います。大会の中で一番の印象を残したい、一番面白かったと言われたい。それにみんながやらないことをやる選手になりたい」
以前は「コズエンの雰囲気に合う見せ方をしなきゃいけない」と思っていた。DDMに入ってみると「荒々しいスタイルが自分にしっくりくる」という感触があった。「気の強さを出すほうが自分らしいのかなって」
「私は“大人の魅力”で勝負できる」
桜井の現在のキャッチフレーズは“リングの貴婦人”。ただそれはイメージを裏切るためのものだと考えている。
「貴婦人っていうと優雅な感じですけど、試合中は真逆な自分を見せたい。狂気性がある闘い、狂い咲く桜井まいを見せたいんです。“あの人、何しでかすか分からないね”っていう。そういう部分が自分にはあると思っているので」
ちゃんよたとの対戦にしてもタッグ結成にしても、私だからしっくりくるんだという自負がある。大学を出て芸能界で活動し、そこからプロレス。新人だが若くはない。それなら、年齢を重ねたことを武器にしたい。
「強さと華やかさ、それに色気まで含めたところで個性を出していけたらと。スターダムは若い選手が多いけど、私は年齢を重ねたから出せる“大人の魅力”で勝負できるはず」
10月からスタートしたタッグリーグでは、レディ・Cとユニット越境コンビを組んでいる。気がついたら、桜井は“普通とは違うシチュエーション”が似合う選手になっていた。化学反応が期待できる選手と言ってもいい。自らの意思でそうなったのだ。いずれトップ戦線に食い込んだとしても、もう誰も驚かないだろう。
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