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“W杯優勝本命”ブラジル代表選考でも批判が…「ネガティブな声を跳ね返すしかない」名SBアウベス39歳招集が賛否両論なワケ 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2022/11/16 11:01

“W杯優勝本命”ブラジル代表選考でも批判が…「ネガティブな声を跳ね返すしかない」名SBアウベス39歳招集が賛否両論なワケ<Number Web> photograph by JMPA

長年にわたってブラジル代表の右サイドを支えたダニエウ・アウベス(写真右)。しかし今回のカタールW杯招集では批判の矢を受けた

 その中でも、アウベスはサイドから攻撃を組み立て、自らもミドルシュートを狙う超攻撃的右SBとしてセビージャ、バルセロナ、ユベントス、パリ・サンジェルマンなどで活躍。3度の欧州CL、6度のスペインリーグ、1度のイタリアリーグ、2度のフランスリーグを含む世界フットボール史上最多の44タイトルを獲得した偉大な選手である。

 ただし、これまでW杯では運がなかった。

 2010年大会ではMFとしてチームの全5試合に出場したが、準々決勝でオランダの前に敗退。2014年大会では右SBとして最初の4試合に先発したが持ち味を発揮できず、その後は控えに転落してベンチで準決勝ドイツ戦での歴史的大敗(1-7)を見届けた。

 2018年大会は絶対的レギュラーとして臨むはずだったが、大会直前に故障をして欠場。ブラジルが準々決勝でベルギーに敗退する原因の一つとなった。

東京五輪ではオーバーエイジ枠で奮闘

 それでも、2019年のコパ・アメリカで優勝。昨年6月から7月にかけて開催されたコパ・アメリカは故障のため欠場したが、驚異的なスピードで復帰すると、直後に行なわれた東京五輪にオーバーエイジ枠で出場。キャプテンとしてピッチの内外でチームを牽引し、2016年リオ大会に続いての連覇を遂げる立役者の一人となった。

 この奮闘が評価されて昨年末にはバルセロナへ復帰。今年7月に監督の戦力構想から外れて退団を余儀なくされたが、2022年W杯出場を目指してプーマスへ入団。今年6月のアジア遠征に招集されて2試合に先発した。ただし、9月のフランス遠征には招集外となっていた。

 その後は、9月末にメキシコリーグの試合を終えると、W杯出場を目指して10月中旬からバルセロナBの練習に特別参加して体調を整えていた。

「僕の招集を批判する人がいるのは承知している。しかし」

 このような状況のアウベスを招集するべきかどうか。

 ブラジル代表のフィジカルコーチは、「我々が9月の時点で招集を見送ったのは、体調があまり良くなかったからだ。しかし、その後、コンディションを急速に高めており、W杯で十分に戦力になると判断した」と説明している。

 一方、アウベス本人は、「僕の招集を批判する人がいるのは承知している。しかし、万人を喜ばせることはできない。W杯でチームの勝利に貢献して、自分へのネガティブな声を跳ね返すしかない」と語っている。

 全盛期を過ぎたとはいえ、経験豊富で意欲十分でチームリーダーの一人でもあるベテランの力を借りるべきか、あるいは実力派の中堅を招集するべきか。その判断はなかなか難しい。

 現在のセレソンでは、右SBの層が薄いのは確かだ。

【次ページ】 三笘を抑え込んだミリタンが右SBもできるのだから

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