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Runners Pulse編集長・南井正弘が薦める「3年ぶりのマラソン大会で履きたい 本命レースシューズはこれだ!」

posted2022/11/03 11:01

 
Runners Pulse編集長・南井正弘が薦める「3年ぶりのマラソン大会で履きたい 本命レースシューズはこれだ!」<Number Web> photograph by AFLO

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南井正弘

南井正弘Masahiro Minai

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コロナ前、世界の陸上界はナイキ一色だった。あれから3年。ランニングシューズはさらに進化を遂げている。久々の大会でベストな走りをするためにも、シューズのアップデートをしておこう。

 厚底レーシングシューズと呼ばれるシューズが登場してから5年が経過した。その登場は衝撃的で、自分のようなサブ4ランナーでも1kmあたり15秒~25秒も速く走れてしまった。

 だがこの「走れてしまう」がクセモノだった。自分の意思以上に速く走れてしまうため、脳内ペースと実際のペースにギャップが発生。結果、レースでは後半まで脚力や心肺が持たずに失速してしまうことも少なくなかった。マラソンではペースマネージメントは欠かせないわけで、ランナーの意思でペースをキープできるかどうかはPB達成において重要なポイントだということを改めて認識したのだ。

 だがコロナ禍の間もシューズは進化し続け、この問題は大きく改善された。現在、厚底レーシングシューズは「速く走れてしまう」から、ペースコントロールのしやすい「速く走ることができる」へと変わりつつある。

 その代表作が2021年にアシックスがリリースした「メタスピード」シリーズだ。アシックスは走りの特性に合わせて、ストライド走法向きの「スカイ」と、ピッチ走法向きの「エッジ」を発売。その汎用性の高さは世界的に話題となり、東京五輪などの国際大会でも着用する選手が多く見受けられた。そのアップデート版である「メタスピード スカイ+」と「メタスピードエッジ+」は、推進力を含めた機能性をさらに向上させ、こちらも好評を得ている。

 市民ランナーの間で急速に存在感を増しているのが、2020年に登場したサッカニーの「エンドルフィン」シリーズだ。他のブランドのカーボンプレート入りシューズと比較して、扱いやすいと話題になり、PBを更新する市民ランナーも出てきている。今夏には第3弾となる「エンドルフィン プロ3」がリリース。より軽量になり、エネルギーリターンも向上した。

 実際に2つのシューズを履いてみたが、推進力がありながら、あくまでもランナーのコントロール下にあり、幅広いレベルのランナーに対応しやすいと感じた。

【次ページ】 厚底の先駆者ナイキのシューズも進化

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