酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「仕方がない、活躍して評価を上げるしか」「社長、監督と涙のハグ」育成ドラフト3人の独立L徳島取材で見た“喜怒哀楽”
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2022/10/21 17:01
育成ドラフトで指名を受けた(左から)日隈モンテル、中山晶量、茶野篤政
選手の総合的な能力ではなく、たった1つでもいいから「とんがっている」部分があれば、指名される可能性がある。独立リーグでの成績も一切関係がない。
日隈モンテルは、筆者が徳島に取材に行った9月の段階で投手から外野手に転向して2カ月足らずで、まだ有望選手でさえなかった。今季の成績は26試合89打数22安打0本塁打8打点13盗塁、打率.247に過ぎなかった。
しかし事前に行われた西武の入団テストで「身体能力の高さ」に着目した西武のスカウト陣は彼の指名に踏み切った。
「自分の長所」を伸ばすことこそが最重要
今後も多くの若者が、独立リーグでプレーすることになるだろう。彼らが思うべきは一つでもいいから「自分の長所」を伸ばすことであり、リーグ戦で好成績を上げることや、チームワークを大事にすることではない。多くの球団もそれを望んでいない。マイナーリーグとは、そういうものなのだ。
9時を回って閑散としたショッピングセンターを後にして、筆者は今年もよいものを見せてもらったと思った。
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