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サーフィン・五十嵐カノア25歳「僕はみんなのハッピーな様子を見るのが好き」 パリ五輪へ、“日本人史上初の快挙”の舞台裏

posted2022/10/24 06:00

 
サーフィン・五十嵐カノア25歳「僕はみんなのハッピーな様子を見るのが好き」 パリ五輪へ、“日本人史上初の快挙”の舞台裏<Number Web> photograph by AFLO

各ヒート3~4人から上位2人が勝ち上がる形式。五十嵐(左)は'18、'21年大会の準優勝を経ての世界一

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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AFLO

 サーフィンの'24年パリ五輪出場権を懸けたISAワールドゲームズが、9月に米国カリフォルニア州ハンティントンビーチで行なわれ、東京五輪銀メダリストの五十嵐カノア(木下グループ)が初優勝を飾った。世界選手権に相当するこの大会を日本人が制したのは、男女を通じて史上初の快挙だ。

 日本は五十嵐と村上舜(11位)、上山キアヌ久里朱(25位)の3人による男子団体でも初優勝し、優勝国に与えられるパリ五輪の追加出場枠1を獲得。個人資格による五輪出場権を獲得すれば最大3人の出場が可能となった。

「チームのために追加出場枠がほしかった。本当に特別な勝利。100%作戦通りにできて、ミッション・コンプリートという気持ちです」

「僕はみんなのハッピーな様子を見るのが好き」

 開幕前から「今回は自分のことよりもチームが大事」と言い続けてきた五十嵐にとって、満願成就となる2冠達成だ。また、全競技を通じて日本のパリ五輪出場枠獲得第1号という三重の喜びでもあった。1回戦から決勝までの8ヒートすべて1位の完全優勝だった。会場のハンティントンビーチは生まれ育った“ホームブレイク”。日によって波のコンディションが大きく異なる難しいビーチの特徴を熟知しているとは言え、あらゆるコンディションを制した価値は大きい。決勝では15.96点の高得点をマーク。ボードを高々と掲げて笑顔でガッツポーズをした。

「仲間にアドバイスをシェアしてサポートしたい」と言い、会場近くにある自宅から試合に通うのではなく、チーム宿舎で生活を共にした。

「僕はみんなのハッピーな様子を見るのが好き。チームはファミリーなので、一緒に負けて一緒に勝つという考えです。ISAは大会日数が(1週間余りと)長いので、チームのリズムを使って金メダルに近づく大会でもあります」

 今回のワールドゲームズの直前には、プロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)で自己最高のシーズン総合5位になり、「サーフィンがうまくなっている」と成長を実感していた。東京五輪では決勝で敗れて悔し涙を流しながらも、海に向かって感謝のおじぎをする姿が印象的だった五十嵐。頂点を目指すパリ五輪へ向け、最高のスタートを切った。

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