「プロレス界の同い年はそそられますね」

　誰が見ても子供だった頃は、実力を見てほしかった。しかし誰もが実力を認めるようになると、今度は自分が実力不足だと感じた。キャリアと年齢と実力、すべてにおいて納得できるバランスに達していないからこそ、今年はリーグ戦優勝を逃したということなのかもしれない。

「キッドと決勝で会いたかったんですけどね。向こうも勝ち星が足りなかった。じゃあ鈴季すずと会えるかなと思ったら、それもできなくて」

　アイスリボンでシングル王者になったこともある鈴季すずは同い年。17歳の夏にベルトを巻き『週刊プロレス』の表紙を飾ったことをAZMも覚えている。

「芸能界の同い年は全然気にならないんですけど、プロレス界の同い年はそそられますね。その時は単純に“凄い！”っていう感じでした。実力もあるし10代なのに貫禄もあるし。団体が違うので闘うという気持ちがなかったから、素直に認めてました。でも今はフリーになってスターダムに上がっている。対戦したいですね。ぶっ飛ばしたい。それだけの自信もあります。たぶん今は貫禄も負けてない（笑）」

20歳の誕生日に飲んだ初めてのお酒

　自分の実力に満足はしていない。それでも、これからのスターダム、女子プロレスは自分たちの世代が中心でなくてはという強い自負もある。

「最近は都内の会場でキッドとシングルをやってないですね。5★STARの決勝でも当たれなかったし。もっと大きな会場でやる運命なのかもしれない。やっぱり、次にキッドとシングルをやるならビッグマッチのメインしかない。AZM、スターライト・キッド、鈴季すずが引っ張る時代がもうきてると思うので」

　誕生日、大会を終えるとレスラー仲間や関係者と飲みに行ったそうだ。意外となんでも飲めました、とAZM。

「最初は甘いお酒をって思ったけど、あんまり得意じゃないかも。コークハイとかカシスオレンジだったらコーラ、オレンジジュースそのままのほうが美味しいじゃないですか。ハイボールとか、飲みやすいけどしっかりお酒の味がするもののほうが好きですね」

　なるほど、と思った。どことなく、プロレスラーとしてのAZMの姿勢に通ずるものがある言葉ではないか。

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