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「24-24でどういうサーブを打つ?」女子バレー眞鍋政義監督が若手に植え付ける“プラス思考” 世界4強逃すも「選手は自信を持っていい」
posted2022/10/14 17:02
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
FIVB
死闘。その言葉が大げさでないほど、激しく、熱く、面白い試合だった。
日本とブラジルがベスト4をかけて戦った女子バレーボールの世界選手権・準々決勝。フルセットにもつれ込んだ試合は、第5セット、ブラジルが15-13で逃げ切り、日本はわずかに勝利に届かなかった。
ブラジルを2度の五輪金メダルに導いた68歳の名将、ジョゼ・ギマラエス監督が、勝利の瞬間バンザイをしながら子供のようにコートを跳ね回った。その姿が、この試合の壮絶さと重要性を物語っていた。
日本が第1、第2セットを先取していただけに、12年ぶりのベスト4入りを逃した選手、監督の悔しさは並々ならぬものがある。選手は涙し、眞鍋政義監督は試合直後のテレビのインタビューで、「今日は勝ちたかったですねー」と悔しさをにじませた。
現時点では“ブラジルの底力”が上回った
「最後はブラジルの勝負強さに負けましたね。これが世界のトップ。やはりここですよね。ベスト8からベスト4の壁。いい勉強です。でも選手は本当に頑張りました。今日この大一番でこれだけのプレーができたということは、選手は本当に自信を持っていいと思います」
指揮官が言うように、強力なジャンプサーブを持つ石川真佑(東レアローズ)を筆頭に、効果的にサーブで攻め、初代表のリベロ・福留慧美(デンソーエアリービーズ)を中心とした驚異的な粘りでブラジルの強力な攻撃を拾い続けた。日本が上位に行くためには世界一でなければならないサーブとディフェンスでしっかりと力を発揮した上、ブロックでもブラジルを上回る9ポイントを挙げ、的を絞らせない全員での攻撃も機能。各自が役割を果たし、目指すバレーは実現できた。
それでも現時点では、東京五輪銀メダルの世界ランキング1位・ブラジルの底力が上回っていたということだろう(日本は世界ランキング6位/10月14日時点)。