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〈神回ドラフト〉「外れ1位だといわれましたよ」「ロッテが佐々岡を指名するかも」“野茂英雄に8球団競合”の裏にあった駆け引き
text by
阿部珠樹Tamaki Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2022/10/21 06:00
プロ野球史上初となる8球団の競合。野茂英雄がいた1989年のドラフト会議では何が起こっていたのか
「ただ、野茂の外れ1位だとはいわれましたよ。でも、特に気にはしなかった。野茂とは仲がよかったし、彼の投球のすごさはよく知っていましたから」
オリンピック組で最年少だったふたりは、いつも連れ立って行動し、周囲からからかわれたりしていた。外れ1位で行くといわれても野茂ならしかたない。
「でも、そうなると、野茂に7つか8つの球団が行くことになるから、リスクを避けて、ボクに来るチームが多くなるかもしれない」
だから西武が単独で指名となったときは…
少数の選手に重複指名が予想されるときは、そのほかの選手も考えることが多い。複数のスカウトの中で、あの球団は熱心で、この球団はそうでもない。だとしたら、あそこは単独に切り替えて、こっちを先に指名するかもしれない。メディァ情報も錯綜するので、余計考えることが多くなるのだ。
潮崎は外れ1位になるのはこだわらなかったが、そこでも重複指名になって意に染まない球団が交渉権を得るのはイヤだった。
「だから西武が単独で指名となったときはほっとしました」
<#2につづく>
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