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憧れの日本選手権で「得たものはツイッターの『いいね』ぐらい…」筑波大大学院→TikTokで大バズリ、三津家貴也が語る中距離ランナーの現実
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2022/10/22 11:01
ランニングをメインとした動画投稿を行い、インフルエンサーとして活躍する三津家貴也さん。本人にTikTokで話題になるまでの話を聞いた
「視聴者さんのコメントで『50mってどのくらいで走るんですか?』という質問があったんです。じゃー『やってみよう』と言ってやった動画がバズって(笑)。これが、『やってみよう』シリーズの最初で、その言葉も自然発生的に生まれたものだったんです」
「やってみよう」は、三津家さんのキャッチフレーズになり、この50m走の動画はYouTubeで270万回再生を記録した。だが、ただバズって終わりではなく、なぜそれだけの人に見られたのか、その要因を抽出し、次に繋げていった。
バズった理由を本人が解説
「この動画がバズったのは、まず50m走という誰にとっても身近な種目で、陸上をしていなくても刺さる種目だったこと。そして、ニコニコしながらやってみようと言っているけど、実際走ってみるとタイムが早かったというギャップがあったからだと思うんです。これ以降、いろんな事に挑戦しようとやったらフォロワー数が伸びていって、1万人を超えたあたりから急激にグーンと増えました」
同じ50mも走り方を変え、いろんな企画に挑戦した。
「漫画『NARUTO』に登場する前傾姿勢での忍者走りだと何秒になるか、とか、『進撃の巨人』に登場する巨人の走り方だと何秒か、とかその後もさまざまな形で挑戦しました。ナルト走りは6秒95、巨人走りは6秒89。姿勢が良いほうが早く走れるので納得の結果でしたが、思いついてその場でやっているので、その時のコンディションにも左右されます(笑)」
一番キツかった「死ぬまで走ってみた」
ちなみに一番キツかった「やってみよう」の動画は、「死ぬまで走ってみた」だった。
「これは50m走につづく第2の転機の動画になりました(苦笑)。約56kmを走ったんですが、TikTokはダンスして終わる短い尺の動画がほとんどの中、異例の4分半の動画だったんです。それでも750万回再生を記録して、かつエンゲージメント(視聴後の反応率)がめちゃ高かったんですよ。長く走るというのは、一般の人に分かりやすい凄さで、それを楽しく笑顔でおしゃべりしながら走ることで一般の人に響くんだなというのが分かりました」