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「お手本はユヅ」4アクセルを世界初成功、マリニン17歳が“試合直後に語った”快挙の舞台裏「僕は完璧主義」《独占インタビュー》
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2022/09/15 19:00
公式試合で4回転アクセルを世界初成功させた米国の17歳イリア・マリニン。その試合直後、本人に独占インタビューを行った
まだ17歳なのに、アメリカ人のティーンエイジャーらしくはしゃぐ様子も見せないのは、両親ともにウズベキスタン選手という文化的背景もあるのだろうか。表彰式後の撮影中、カメラマンに何度も「笑って」と言われると、隣にいたプルキネンが「僕は笑っているよ! 君のせいだね」とマリニンに突っ込み、二人とも笑い崩れるという微笑ましい一場面もあった。
「人間に可能だとは思わなかった」と元五輪銀メダリスト
会場に来ていた1992年アルベールビルオリンピック銀メダリスト、ポール・ワイリーはこう感想を述べた。
「生で4アクセルをこの目で見ることができたのは、すごい体験でした。僕たちの時代は3アクセルで勝負が決まっていた。4アクセルという技が可能だとは思っていませんでした。もちろんスポーツは進化していくものだけど、人間の身体的な能力には限界があるとずっと言われてきたのです。でもこうして次々と記録が作られていくのは、すごいことだと思います」
マリニンの次の試合は1カ月後のスケートアメリカだが、スコルニアコフ・コーチによると毎試合4アクセルを入れるかどうかは未定だという。
まだシーズンは開幕したばかり。これからどのような展開がみられるのか、エキサイティングなシーズンになりそうだ。
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