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「理想は走攻守のすべてで一流」昨季までわずか“4”だった男が盗塁王へ爆走中! プロ3年目・ロッテ高部瑛斗(24歳)はなぜ覚醒した? 

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千葉ロッテマリーンズ取材班

千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines

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posted2022/08/30 06:00

「理想は走攻守のすべてで一流」昨季までわずか“4”だった男が盗塁王へ爆走中! プロ3年目・ロッテ高部瑛斗(24歳)はなぜ覚醒した?<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

東海大甲府高、国士舘大を経て19年ドラフト3位でマリーンズに入団した高部瑛斗(24歳)。プロ3年目、飛躍のときを迎えている

 そんな高部に“自信”が芽生えたゲームがあった。5月13日、京セラドーム大阪でのバファローズ戦だ。

 この日、1番レフトでスタメン出場すると、初回にセンター前にヒットを放ち出塁し、二盗に成功。犠飛で先制のホームを踏む。3回の第2打席は四球で出塁。再び果敢に二塁を陥れ盗塁に成功すると3番中村奨吾の一塁線を破るヒットでホームを踏んだ。5回にも左前打。8回にも四球で歩き、すかさず盗塁。三塁まで進むとスクイズでホームに還った。2安打2四球3盗塁の大活躍。自身も「自分のやるべきことはこういうことだと見えてきた試合。自信が芽生えた試合」と振り返るように、高部のプレースタイルを象徴する一日だった。 

 気が付けば盗塁数は30を超えた。8月29日時点では、2位松本剛(日本ハム)の「21」を引き離し、その数を「35」まで伸ばしている。

「シーズン前に盗塁は30個を超えたいと思っていたので嬉しい。ただ、まず最初に考えていたのは開幕スタメンになるという目標。そこから出場試合数を増やすという目標があって、盗塁の目標がある。それを一つ一つクリアしていく形を続けている」

「理想像は走攻守のすべてで一流」

 3年目にして初選出されたオールスターゲームでは、出場者で唯一2試合フル出場を果たすなど、存在感を見せた。春季キャンプ前に立てた目標を一つ一つ達成していっている。

 それは悔しさを力に変えて、積極的な姿勢を貫き充実の日々を送っているからこそだ。そしてまだまだ妥協なくさらなる高みを目指し続けていく。

「自分の成績には全然、満足していないし自信がついたというほどではない。走攻守の全部でしっかりとやりたい。ボクの理想像は走攻守のすべてで一流と言われること」

 背番号「38」は2022年、飛躍の年を迎えた。そのたぐいまれな才能は、成功体験からではなく、ここまで味わった挫折と悔しさを起爆剤としながら開花していっている。 

 しかし、ここまではあくまで序章に過ぎないと言える。マリーンズの新しいリードオフマンの、華やかで泥臭くもある物語はまだ始まったばかり。ここからが本当の見どころだ。

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