欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
久保建英は「2ケタ得点」狙えるのでは…名手シルバと“精度の差”はあれど、カメラマンが感じたワケ〈バルサ戦好守で同点弾の起点〉
posted2022/08/25 11:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
リーガ2節、レアル・ソシエダ対バルサ戦の撮影のため、サン・セバスティアンへ向かった。
開幕節を久保建英のゴールで勝利したソシエダは、戦力的上位の相手を倒し、勢いを加速できるのか、また久保個人としても、チームの中でポジションを確固とするためにも、ゴール、またはそれにつながるプレーが望まれる試合である。
バルサにとっては、夏の補強にも関わらず初戦で引き分けたことがこれ以上波風を立てないためにも――敵地とはいえ、勝利だけではなく内容ともに求められる試合だった。
ソシエダ1-4バルサだったが、点差ほどの失望では
結果から書けば、1-4でバルサが勝利。
失点があったとはいえ、敵地でのこの勝利は、新生バルサへの一定以上の評価と監督チャビに落ち着きを与えるものとなった。
新加入レバンドフスキの2ゴール。そして、途中出場から、1ゴール2アシストと出色の活躍を見せたアンスの復活。財政難のバルサにおいて一縷の望みを見出したか。
ただし、ソシエダにとっても――得点差ほどの失望は感じさせない戦いだった。
早い時間帯での失点に折れることなく、直後の同点ゴールで会場の雰囲気を高揚させると、後半半ばまでは五分にやりあった。64分、アンスが出場してからの3失点は、選手層まで含めたビッグクラブとの総合力の差がそのまま出たと言える。
現に、3失点目直後の69分、ソシエダ監督イマノルは、ダビド・シルバ、イサク、久保と攻撃の核3枚を同時交代している。始まったばかりの長いシーズン、これ以上傷口を広げず、なお次節に向けたコンディションを考慮した上での現実的な策だった。
久保にとって幼少期を過ごしたバルサ戦での笑顔
ホームタウン、サン・セバスティアンの風景とともに、試合や会場全体の雰囲気、さらに久保のプレーを振り返っていく。
8月21日、最高気温26度の予報とは裏腹に日中の日差しは強く、ラ・コンチャ海岸には多くの海水浴客が訪れていた。
キックオフ2時間ほど前、心地よい風の抜けるスタジアム最寄りのテラス席では両チームサポーターがごちゃ混ぜになり賑わっていた。元々独立志向の高い地域のチームで仲間意識が強いバスク地方だけに、バルサ人気が圧倒的にマドリー人気より高い。