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バレー代表・高橋藍(20歳)が実感する“世界のトップに近づいている”という確信…世界選手権は「結果を残して帰ってきます」
posted2022/08/25 11:00
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph by
FIVB
約1カ月半に及んで行われたネーションズリーグが終わり、間もなく世界選手権が始まります。
ついこの間、クラブシーズンを終えてイタリアから帰国したばかりだったのに、世界選手権が終われば今年度の日本代表チームの活動は終了。あっという間です。日本代表でも海外遠征が多かったので、日本にいる時間がほとんどなかったから余計にそう感じるのかもしれません。
誤算だった「5日間」の隔離
今大会を迎えるにあたり、僕が一番意識したのはコンディショニングです。
昨年のネーションズリーグは今以上にコロナ対策が徹底されていて、会場はイタリアのみ。約1カ月の間、ホテルと体育館だけを往復するバブル方式で開催されました。感染対策という面で仕方がないことでしたが、リフレッシュする時間がなく、身体的にも精神的にも疲労がたまり、最後までコンディションがいい状態でバレーボールをすることができず、ケガにもつながってしまいました。
その反省を生かし、今大会はとにかくベストコンディションをキープすることを心がけました。技術面は昨年の東京オリンピックやイタリアでの経験が自信にもなったので、まず意識したのは身体づくり。1カ国開催だった昨年と異なり、今大会はブラジル、フィリピンと海外遠征もありましたが、僕自身は移動や時差のしんどさよりも、気持ちがリフレッシュできるのがプラスでした。日本だけでなく、行く先々で本当にたくさんの方々に応援していただけたのも力になりました。
イメージ通りに進む中、唯一誤算だったのは新型コロナウイルスです。
フィリピンラウンドが始まる前の検査で陽性反応が出て、5日間の隔離を余儀なくされました。無症状だったので、身体に影響はなかったのですが、隔離期間はホテルの部屋から出ることができず、行動も限られます。簡単なトレーニング程度はできても、バレーボールの動きにリンクさせるには程遠い。ゼロとは言いませんが、それまでいい感覚で積み重ねてきたものがかなり低い段階まで落ちてしまった。実際練習へ合流できるようになっても、身体をうまく動かすことができず「これで戦っていけるのか」と不安を抱きました。
とはいえ、隔離期間があったことを言い訳にできないと思っていたので、身体の状態や感覚が万全でなくとも、チームが勝つために何ができるかを考えて実践したかった。それが最もいい形で発揮できたのが、3セット目からの途中出場で勝利した予選ラウンド第5戦のアルゼンチン戦でした。