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中央挑戦シテイタイケツ“異次元の末脚”は本物か?「同じような勝ち方」のエルコンドル、大井の伝説ハイセイコーら“衝撃デビュー”を検証 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byTCK(東京シティ競馬)

posted2022/08/05 17:03

中央挑戦シテイタイケツ“異次元の末脚”は本物か?「同じような勝ち方」のエルコンドル、大井の伝説ハイセイコーら“衝撃デビュー”を検証<Number Web> photograph by TCK(東京シティ競馬)

衝撃的なごぼう抜きで新馬戦を制した大井のシテイタイケツ。中央初挑戦となる8月6日のダリア賞(新潟芝1400m)に注目が集まっている

 1998年のジャパンカップを勝ち、翌99年の凱旋門賞で「勝ちに等しい」と言われた2着となったエルコンドルパサー(牡、父キングマンボ、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)のデビュー戦もダートだった。97年11月8日、東京ダート1600mで、2着に7馬身差をつけている。ここに紹介した他馬のレースは逃げ切りが多いのだが、エルコンドルは最後方から直線だけで前をぶっこ抜くという、シテイタイケツと同じような勝ち方だった。

 近いところでは、2019年度のJRA賞最優秀ダートホースのクリソベリル(牡、父ゴールドアリュール、栗東・音無秀孝厩舎)も、阪神ダート1800mの新馬戦で、中団から好位に押し上げ、7馬身差で圧勝している。ラスト200mは手綱を抑えて突き放したのだから恐ろしい。

 新馬戦で驚くような勝ち方をした馬が、その後まったく勝てずに終わることはほとんどない、と思ってよさそうだ。成長曲線は馬によってさまざまなので一概には言えないが、能力だけの争いになりやすい新馬戦で大勝した馬の力は、やはり高く評価すべきなのだろう。

ハイセイコー級の活躍を望むのは早すぎるが…

 その伝で言うなら、今週のダリア賞で、シテイタイケツはひょっとするのでは、と思ってしまう。タフな大井でこの時期に37秒台の末脚を使ったのだから、新潟の高速馬場でとんでもない弾け方をしても不思議ではない。

 かつて、大井でデビューし、中央でブレイクした馬というと、代表格は、1973年の皐月賞を勝つなどして国民的アイドルとなったハイセイコー(牡、父チャイナロック、大井・伊藤正美厩舎→東京・鈴木勝太郎厩舎)だ。72年7月12日に大井のダート1000mで行われた新馬戦では8馬身差の勝利をおさめている。

 もう少しあとの時代には、1982年の羽田盃を勝ち、中央移籍後セントライト記念を制したホスピタリテイがいる。大井ダート1000mの新馬戦を10馬身差で圧勝している。

 1戦1勝のシテイタイケツに、ハイセイコーやホスピタリテイ級の活躍を望むのは早すぎるとわかっているが、可能性はゼロではない。どうせなら夢を見たいので、思いっきり期待をかけて、その走りを見守りたい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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