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大谷翔平と“お父さん”のような大打者プホルス…球宴で“再会”したレジェンドが語っていた大谷への予言「二刀流ができるのは彼しかいない」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2022/07/22 11:00
アルバート・プホルス 1980年1月16日、ドミニカ共和国生まれ。カージナルス時代には10年連続で3割30本100打点を達成。5年間で3度のMVPに輝く。'11年Wシリーズ優勝。'12年エンゼルスに加入後、今季途中でドジャースに移籍。191cm、107kg
昨年HRダービーでの「プホルスからの電話」
ドジャース移籍後もふたりの距離は変わらなかった。7月12日、コロラド州デンバーで行われた球宴前日のホームランダービーで大谷は優勝候補ナンバーワンと目されていたが、力みに力み苦しんだ。打撃投手に選んだブルペン捕手ジェイソン・ブラウンのボールにタイミングが合わず右翼線へのファウルを繰り返す。ナショナルズのフアン・ソトとの対戦が劣勢に陥ったところで、休憩タイムに一台のスマートフォンが大谷に手渡された。声の主はプホルスだった。師匠は可愛い愛弟子にいつもと同じ言葉を贈った。
「力むな。引っ張ろうとせずにセンター方向へ打つように心がけろ。お前には左中間スタンドにホームランを打つパワーがある」
結果は敗退に終わったが、チームは違えど師匠の気持ちが表れた場面だった。
8月6日、ドジャースタジアムでの交流戦。移籍後初めて再会の場が設けられると大谷は試合前にプホルスのもとへ駆け寄った。長きに渡って受けた数々の心遣いへの謝辞ということか。熱い抱擁を交わし、がっちりと握手をするふたりの笑顔。これもまた、師弟のベスト・ショータイムのひとつといえる時間だった。
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