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2年で45億円超の爆買い…「ウマ娘」で話題の藤田晋オーナーの狙いとは? セレクトセールの落札馬リストから見えてきた“綿密なプラン” 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2022/07/17 11:01

2年で45億円超の爆買い…「ウマ娘」で話題の藤田晋オーナーの狙いとは? セレクトセールの落札馬リストから見えてきた“綿密なプラン”<Number Web> photograph by AFLO/Photostud

2年連続で20億円以上の大金をセレクトセールに注ぎ込んだ藤田晋オーナー。今春にはジャングロで重賞を制し、馬主としての今後に注目が集まっている

眼力がより問われる“ディープ・キンカメ後”の競馬界

 今年のセレクトセールで藤田氏が落札した馬のなかでは、アルビアーノの2021が個人的に気になる。母は3連勝でフラワーカップを勝ち、NHKマイルカップで2着。3歳のうちにスワンステークス優勝、マイルチャンピオンシップでモーリスからコンマ3秒差の5着と、早い時期からタフなスピードを見せた。初仔で本馬の半姉にあたるアヴェラーレ(父ドゥラメンテ)は3勝しており、父がキズナとなった本馬は、同じキズナ産駒で母が短距離で強かったディープボンドのような、距離も持ち、成長力もある馬になっていく可能性がある。

 藤田氏がセレクトセール以外で購入した馬では、今年の2歳世代にアメリカ産のジャスティファイ産駒が4頭もいるなど偏りもあるが、それは管理する森秀行調教師の選定によるものだろう。預託厩舎は、ほかに矢作芳人、中内田充正、杉山晴紀、四位洋文、武幸四郎(以上関西)、関東の手塚貴久と、一流どころを押さえている。それは、預託した馬の能力を引き出すことに加え、今後も馬の見立てにおいて有益な助言を得られることにつながる。

 種牡馬界のツートップだったディープインパクトもキングカメハメハもいなくなり、馬の価格が主に種牡馬で決まる時代は終わった。今年のセレクトセールの落札価格トップ3の種牡馬が、1歳馬はモーリス、ドゥラメンテ、エピファネイアで、当歳馬がドゥラメンテ、ブリックスアンドモルタル、サートゥルナーリア・エピファネイア(ともに3億円)と「一極集中」にならなかったことも、それを示している。母系を評価する力、馬体を見る眼力、すなわち、選馬眼が、前にも増して問われるようになった。

 そうした状況下、競馬界に颯爽と登場した藤田晋オーナーの所有馬が、今後、どのような活躍を見せてくれるか。楽しみが大いに増えたことを歓迎しながら、見守りたい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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