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プロ野球PRESSBACK NUMBER
前DeNA監督・ラミレスが本音で語る“セ・リーグ展望”…注目は阪神、大逆転Aクラス入りへ“2つの提言” カギは「青柳の登板日」と…
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/07/15 11:03
後半戦の台風の目にラミレスは阪神タイガースを予想。CS進出への超秘策とは?
選手起用に見た“高津采配の凄み”
昨季は2年連続最下位からV字回復でチームを20年ぶりの日本一へと率いた高津監督。やはり監督経験者のラミレス氏から見たその手腕の肝は、データを基にした冷静な采配と、チームマネジメントだと言う。
「凄くスマートで色々なことを分析しているのがわかる。私もデータを重要視していたので、彼も数字をしっかりと見て、選手の起用や采配の判断基準にしているのがわかります。ピッチャー出身の監督はデータを重視しない、というイメージで、だからこそ野手出身の監督の方が成功しやすいと言われてきましたが、彼はその定説を覆している。決断力という点では、昨季まで5番を担っていた(ホセ・)オスナの調子が上がらず、4番の村上が勝負してもらえないと見るや、すぐに7番に打順を下げたことも印象的でした。普通の監督なら前年実績を残した外国人選手を簡単に下位にはおけないものですが、そこに執着することなくすぐ対応できることが素晴らしい。彼のマネジメント、采配はパーフェクトだと思っています」
注目は阪神「Aクラス入りの可能性は大いにある」
順調に行けば、まだ残暑の厳しい時期にヤクルトの優勝が決まってしまいそうな戦況で、俄然注目を集めるのが2位、3位争いだ。巨人、阪神、広島、DeNAまでが“団子状態”の大混戦。抜け出してくるのはどのチームか。
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「何が起きてもおかしくない接戦だとは思いますが、例えばDeNAの戦い方を見ると3連勝した後に3連敗というように浮き沈みが激しく、終わってみれば5割という感じになりそうなのが難点です。ここから浮上するには右ひじ手術から復帰途上の(タイラー・)オースティンが完全復活することが絶対条件になるでしょう。巨人が3位以内に入ってくることは確実として、私が注目しているのは阪神です。あれだけ歴史的なスタートダッシュ失敗を演じて、失うものは何もないと思うんですよ。徐々にチーム状態も良くなっているし、ここ最近のデータを見ても、Aクラス入りする可能性は大いにあると見ています」
実はラミレス氏自身、監督時代は同じようにスタートダッシュ失敗を経験している。就任1年目の2016年は3、4月を9勝18敗と大きく負け越し、5月3日時点で借金11。そこから巻き返し、結果的にはシーズン3位で球団初のクライマックス・シリーズ(CS)進出を果たした。19年には4月に10連敗を経験しながら、5月末に最下位を脱出し、後半戦の猛追で一時は首位に0・5差まで迫った経験がある。阪神の後半戦巻き返しへの秘策はズバリ、何だろうか。