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羽生善治九段1500勝と「水どう藩士説」 “藤井聡太対策”に「これくらい普通です」渡辺明名人が神解説だった〈観る将マンガ家の将棋ハイライト〉
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byTadashi Shirasawa/Junsei Chida(illustration)/日本将棋連盟
posted2022/07/01 06:00
観る将マンガ家・千田先生が描いた「6月の将棋ハイライト」。これまでのイラストは関連記事からもご覧になれます!
なおこのツイートの後、羽生先生が「金太郎飴」という表現についての真意を再ツイートするなど、その実直さには敬服するばかりです……。誰もが見たことのない境地を歩み続ける羽生先生の探求を今後も楽しみにしています。
藤井五冠vs佐藤会長は名古屋に新設の「天空の対局場」で
開幕した順位戦について、もう少しだけ。渡辺明名人への挑戦権を懸けるA級開幕局では、斎藤慎太郎八段が菅井竜也八段に勝利し、名人戦3年連続挑戦への好スタートを切っています。そして藤井聡太竜王と佐藤康光九段、B級2組の杉本昌隆八段と佐々木慎七段の対局が「名古屋将棋対局場」での初公式戦として実施されました。
東京と大阪に次ぐ公式対局拠点は「ミッドランドスクエア」という名古屋駅直結ビルの25階にできました(凄いロケーション……)。日本将棋連盟の公式HPには佐藤会長のコメントが「棋士にとりましても心躍る出来事で、大きな励みになることと思います。また、こけら落としの対局者として伺えますこと、大変光栄です」と掲載されていました。さらに和服姿で対局に臨んだところに、佐藤会長の思いを感じ取りましたね。
この対局はそれぞれ藤井竜王、佐々木慎七段が勝利。今後「天空の対局場」でどんな名局が生まれるか。佐藤会長の言葉を拝借すると――心が躍ります。
2)「西山永世女王」と里見女流四冠の「棋士挑戦」
藤井五冠の戦いの前に……今月は扱いたい話題が渋滞しています(笑)。
2人の女流棋士が話題となりましたね。西山朋佳女流二冠と里見香奈女流四冠です。西山女流二冠は6月13日に行われたマイナビ女子オープン第5局で、里見女流四冠に112手で勝利して防衛するとともに、5連覇によって「永世女王」の資格を獲得しました。
一方の里見女流四冠は7日の女流王位戦第4局で西山女流二冠に勝利し、3勝1敗でこちらも防衛……まさに2強のつばぜり合いといった様相ですね。
そんな中で里見女流四冠が1つの決断を下しました。女性として初となるプロ編入試験受験です。奨励会の三段リーグこそ年齢制限の壁によって退会したものの、5月に編入試験の受験資格を獲得。その際には受験するかどうか迷いがあったそうですが、申請期限間際で挑戦を決意したとのことです。
里見女流四冠は2022年度に入って男性の棋士から白星を積み重ね、さらには24日の対局では出口若武六段(叡王戦で藤井聡太五冠に挑戦)に勝利しています。史上初の「女性棋士」誕生へ、ファンとしても固唾をのんで見守る所存です。
トップを走り続ける2人の挑戦にエールを送るとともに、女流棋士の皆さんの活躍にも期待しています。
佐藤天彦九段のキャラクターも面白い
さて、柔らかな話題で言えば……ABEMAトーナメント。リーグ戦が活況を呈している中で、ピックアップしたいのは佐藤天彦九段です。