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「小さいから通用しない」と言われると「燃えるタイプ」 女子バスケ“162cm”町田瑠唯(29)のアメリカ挑戦の価値とは?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2022/06/28 06:00
4月からWNBAのワシントン・ミスティックスでプレーする町田瑠唯。身長2m超の大柄な選手もいる世界最高峰リーグで、課題に向き合いながら奮闘を続ける
ただでさえ身体のサイズを補わなくてはいけないのだから、迷いながらプレーするような余裕はない。
「自分の得意なところをしっかり出しながら、プラスαでそこ(得点)ができるようにやっていけたらいいかなって思っています。
アグレッシブに行くことはもちろんいいんですけれど、ゲームのリズム、流れ、ペースをもう少し考えて、自分だけに意識を集中させないで、いいリズムでシュートを打てるように。そのシュートを打つのが自分なのか、他の選手なのかっていうのはしっかり判断して、その中でシュートを打てるときにはしっかり打とうっていう意識に変わりました」
これまで、日本にいたときでも壁や課題にぶつかったことはあった。そのときと違うのは、控えの選手として限られた時間で自分のリズムを見つけ、結果を出さなくてはいけないこと。出場時間が10分を切ることも増えてきた。ミスをしたらすぐにベンチに下げられてしまうのだが、ミスを恐れると自分らしさが出せない。そのバランスが難しい。
オフを返上して決断したアメリカ挑戦
それでも、出場時間が短いことを言い訳にはしない。負けず嫌いな一面が、言葉の端々から顔をのぞかせる。
「ベンチメンバーっていうのはそういうもの。短い限られた時間でどれだけ結果を残すか、どれだけチームに貢献できるかっていうことだと思う」
「(最近)プレータイムは減ってはいるんですけれど、それをマイナスにはとらえていません。試合に出てなくても色々学ぶところもありますし、出たときにしっかり思い切りよくプレーできるように、しっかりメンタルもってやらないといけないなと思っています」
日本にいたときよりも難しいからこそ、オフシーズンをつぶしてもアメリカに出てきた価値がある。ここを乗り越え、WNBAでも「小さくてもできる」ということを見せることができれば、選手としてもさらに成長できる。そのために、きょうも試行錯誤しながら、コートに向かう。
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