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「大谷翔平だからこそ、チームを窮地から救い出せる」 ワイルドカード獲得へ、カギとなる大谷の「打撃成績」を徹底調査してみた
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2022/06/15 17:04
エンゼルスの連敗を食い止めた大谷。今後の活躍が、ワイルドカード獲得を左右する?
同地区との対戦ではあまりいい打撃成績を残していない
メジャーリーグは不定期開催の交流戦を除けば、同地区の4チームとの対戦が19試合、他地区のチームとの対戦がホーム&アウェーの6試合前後となるアンバランスなスケジュールになっている。エンゼルスも同じ西地区のチームとの対戦が圧倒的に多く、大谷はここまで、アスレチックス以外のチームとの対戦であまりいい打撃成績を残していない。
前述の通り、大谷がいくら活躍しても、チームの勝敗には直接的な関係がないのだが、冒頭の14連敗中、「打者・大谷」は.192/.333/.383、2本塁打4打点と、チームの勝利に貢献できる要素がほとんどなかったことを考えると、その影響力は決して小さくない。
「打者・大谷」は上昇の兆し?
いいニュースは、「打者・大谷」が6月に入って.286/.375/.500、2本塁打5打点(現地11日時点)と上昇の兆しを見せていることだ。
このタイミングで今季、ここまで対戦のなかったマリナーズとは今週16日から敵地で5試合、24日からはホームで3試合が組まれているのは、チームにとっては幸運なことかも知れない。その直後にはワイルドカード争いの直接対決となるホワイトソックス戦も3試合が組まれており、そこで大谷が連敗を阻止した試合のようなパフォーマンスができるかどうかが、チーム浮沈の一つの鍵となるのは間違いないだろう。
もしも、マリナーズやホワイトソックス相手に、「リアル投打二刀流」の大谷が好投し、打撃も爆発したら、相性が良さそうなガーディアンズとの残り3試合(9月)や、ツインズとの全6試合(8月と9月にホームとアウェイで)にも勝ち越せるのではないか。今は遥か遠くに見える地区優勝や、それよりはちょっとだけ近い、ワイルドカード獲得の可能性が大きく膨らんでくるはずだ。
大谷の活躍がどうであれ、チームが勝ち進むのが理想の形であるが、そんな悠長なことはもはや言えなくなっているのが、今のエンゼルスだ。6月にしてシーズン終了の危機に陥った彼らを救うことができるのはやはり、投打の主力である大谷翔平だけなのである。
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