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「大谷翔平だからこそ、チームを窮地から救い出せる」 ワイルドカード獲得へ、カギとなる大谷の「打撃成績」を徹底調査してみた
posted2022/06/15 17:04
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
エンゼルスの大谷翔平は、「リアル投打二刀流」による3度目の挑戦で、チーム史上ワースト記録となる連敗を、14で食い止めた。
1度目は現地5月26日の対ブルージェイズ戦で、6回6安打5失点で敗戦投手となり、2打数無安打1四球と打撃も今一つでチームの連敗を止められなかった。2度目は6月2日の対ヤンキース戦で、4回途中8安打4失点で再び敗戦投手となり、打撃も5打数1安打と冴えず、チームも7連敗を喫している。
3度目の挑戦となった6月9日の対レッドソックス戦、大谷は「先発投手」として7回を4安打1失点、「2番打者」として5回の第3打席で逆転の12号2ラン・ホームランを放つなど、4打数2安打2打点で5対2の勝利に貢献した。試合後、大谷は囲み取材でこう語った。
「なかなか思うように投打かみ合わないなとか。そういうストレスが溜まるなかで(今までに)何回か登板も回ってきましたけど、もっともっと早く、こういう風にできれば良かったかなと思います」
5月24日に27勝17敗でア・リーグ西地区の首位アストロズに1ゲーム差だったチームが、今では28勝31敗でゲーム差が9に広げられてしまったのだ。このままでは、大谷自身が昨季、「ヒリヒリするような9月を過ごしたいです」と言ったようなシーズンにはならない。彼のMVP獲得とチームの勝敗に直接的な関係が無かったことを考えれば、今年もまた、自身の活躍如何に関わらず、メジャーリーグ王者決定戦である「プレーオフ」と、まったく無縁のシーズンを過ごすことになる。
それでもあえて言おう。大谷だからこそ、チームをこの窮地から救い出せるのだ、と。
現実的な目標は「ワイルドカード最後の1枠」
FanGraphs.comを参考にすると、エンゼルスは地区優勝の確率こそ2.5%と少ないが、プレーオフ進出の可能性ならまだ26.7%もある。つまり、地区優勝したチームを除いて、今季からリーグ内の勝率で上位3位に入ったチームに与えられる「ワイルドカード」を獲得する可能性は、まだある。