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「なんでRIZIN出ないの?」と言われても…MMAファイター松嶋こよみが目指す頂点「UFCが世界最強だというのは明らかじゃないですか」
posted2022/06/08 11:00
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Gantz Horie
世界最高峰のMMA(総合格闘技)の舞台であるUFCへの出場権を懸けたアジアのトップアスリートたちの闘い「ROAD TO UFC」がついに開幕する。
「ROAD TO UFC」はアジア全域から才能あるMMAファイターたちを選抜し、フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級の4階級、それぞれ8名が参加。トーナメント形式で闘い各階級の優勝者がUFCとの正式契約を手にするというものだ。
注目の1回戦は、東南アジア初のUFCナンバー大会6・12『UFC275』に先駆けて、6月9日、10日の2日間にわたり、シンガポール・カランのシンガポール・インドア・スタジアムで行われる。
日本からエントリーしたのは以下の7名。
【フライ級】堀内佑馬
【バンタム級】風間敏臣、中村倫也、野瀬翔平
【フェザー級】佐須啓祐、松嶋こよみ
【ライト級】宇佐美正パトリック
いずれも才能と可能性を秘めた選手たちだが、この中で最も実績を残してきたファイターのひとりが、フェザー級の松嶋こよみだ。デビュー当時から常にUFCを目標に掲げ、今ついにそのチャンスをつかもうとしている松嶋に今大会への思いを語ってもらった。
「UFCでチャンピオンになることが最終目標」
松嶋こよみは、2014年に全日本アマチュア修斗選手権大会に優勝し、2015年に22歳でプロデビュー。修斗ウェルター級新人王を獲得したのちパンクラスに戦場を移し、そこでは現RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎やカイル・アグォンを撃破している。
2018年からは、アジア最大のMMAプロモーションONE Championshipと契約。初戦でいきなり前ONE世界フェザー級王者のマラット・ガフロフに1ラウンドTKO勝利を挙げ、2019年8月には敗れたもののONE世界フェザー級タイトルマッチも経験。そして2020年12月のゲイリー・トノン戦を最後にONEとの契約を更新しない旨を伝え、あらためてUFCへの挑戦を宣言した。
あれから1年半、ようやくその足掛かりとなるチャンスを得たかたちだが、ここまで来るのには紆余曲折あり、決して平坦な道ではなかったという。
「僕はもともとUFCでチャンピオンになることが最終目標で、(2018年に)ONEと契約したのもそのための実績作りという意味合いが強かったんです。『これ以上、日本のリングで日本人選手と試合をしていても(UFCの選手獲得網には)引っかからないだろう』という感覚があったので、海外の強い選手と試合できるところを探した結果、当時はONEと契約しようという考えになりました。その後の契約的な縛りがどうなるのかをちゃんと確認せずに契約してしまった部分はあったんですけど、いろんな強い相手と試合をすることはできたので、いい経験になりましたね。
ただ、契約更新の時期を迎えたとき、僕は年齢的にもラストチャンスという認識はあったし、これでONEと契約更新したらもうUFC参戦の可能性はなくなるだろうという判断で、更新しないという決断をしたんです」