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「大谷翔平は6月に最も活躍する」 過去データから予測される“打撃成績の急激な上昇”がスゴい…“最強バッター”トラウトに並べるか?
posted2022/05/29 17:03
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
大谷翔平にとって大事な季節、6月がやって来る。
開幕から出場43試合が過ぎた現地5月24日の時点で、「打者・大谷」のスラッシュラインは.256/.319/.459(打率/出塁率/長打率)となっている。
ア・リーグMVPとなった昨季の.257/.372/.592と比較すると、一つ目の打率は同程度、真ん中の出塁率と最後の長打率は低下が目立つ。
それでもメジャー通算100号や、日米合算150号といった話題があり、「数字はそのうち上がってくるだろう」と期待してしまう。9本塁打6盗塁と持ち味も出ていることから、もしかしたら、今年は30−30(30本塁打以上&30盗塁以上)を達成するのではないか、とも思えるほどだ。
スラッシュラインの真ん中に示される“出塁率”が中でも気になるのは、他ならぬ大谷自身が、本誌の単独インタビューでこう語っているからだ。
「僕が大事に考えているのはOPS(出塁率+長打率)なので、今年は“千(1.000)”行きたかったな、と思っています(出塁率.372+長打率.592=OPS.965)」
大谷がトラウトを「理想のバッター」と言う理由
OPSという極めて単純な数式から算出される成績は、打率だけでは計れない「四球」や「長打」などの得点の可能性を生み出すプレーの評価を可視化することができる数字で、今ではMLB公式サイトを筆頭に、米メディアのどんなサイトにも掲載されるようになった「強打者」の基準である。
OPSを大谷が一つの基準として捉えている理由の一つは、今も「現役最高の選手」と謳われているチームメイトのマイク・トラウト外野手の存在だろう。件のインタビューでも、彼はこう答えている。
「(トラウトは)毎年、出塁率4割を維持しつつ、長打率6割も維持している。これはまぐれではできません。フォアボールをしっかり選ぶということは、打席で振るチャンスが減っていくわけで、その中での甘い球をしっかり振って長打にしなければならない。(中略)出塁率が高い上でOPSが高いのが理想のバッターの条件なのかな、と思うので……」