ドラマ生んだテイオー、あっさり負け鮮やかに勝ったウオッカ…GIでの“1番人気連敗記録”を調査して分かった「スターホースの存在感」

　先週のNHKマイルカップで1番人気のセリフォスが4着に敗れ、今年の平地GIでは1番人気が7連敗となった。これは年明けからのワースト記録である。昨年のホープフルステークスから数えると、GIでの1番人気は8連敗となった。

　なぜ、1番人気が負けつづけるのか。

　それを考えるために、過去のデータを見ていきたい。

　1984年のグレード制導入以降、年明けからの「GI1番人気最多連敗記録」は、1995年、96年、2012年の5連敗だった。それを今年更新したわけだ。

　年明けからに限定しなければ、GI1番人気連敗のワースト記録は、07年の桜花賞から菊花賞までの12連敗である。以下、92年の宝塚記念から有馬記念までの10連敗と、99年のNHKマイルカップからエリザベス女王杯までの10連敗がワースト2位タイ。14年のスプリンターズステークスから阪神ジュベナイルフィリーズまでの9連敗が4位とつづく。

　現在の8連敗は、90年のオークスからジャパンカップまでの8連敗と並ぶ、5位タイということになる。

　GIで1番人気が負けつづけた年の競馬は面白くなかったかというと、そんなことはない。むしろ、盛り上がっていた年が多かった。

年明けからの最多連敗記録となっていた95年

　まず、年明けからGI1番人気が5連敗し、かつての最多連敗記録となっていた95年から振り返りたい。この年は、日本の競馬を変えた大種牡馬サンデーサイレンスのファーストクロップがクラシックを走った年だ。年明けからのGI5戦の結果を以下に記す。左が勝ち馬、右が1番人気の馬と着順である。

（1）桜花賞 ワンダーパヒューム/ライデンリーダー 4着
（2）皐月賞 ジェニュイン/ダイタクテイオー 8着
（3）天皇賞・春 ライスシャワー/エアダブリン 5着
（4）安田記念 ハートレイク/サクラチトセオー 2着
（5）オークス ダンスパートナー/ライデンリーダー 13着

　牝馬クラシックでは、アンカツこと安藤勝己を背に、地方の笠松から無敗のまま中央に参戦し、トライアルも勝ったライデンリーダーが注目されていた。桜花賞を制したワンダーパヒュームの鞍上は田原成貴、オークスを勝ったダンスパートナーの主戦は武豊。名手同士のせめぎ合いも熱かった。

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