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重賞戦線で苦戦のルメールが中東で示した圧倒的な存在感。
posted2022/03/20 07:00
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph by
AFLO
クリストフ・ルメール騎手(42)の年初は、順調とは言いづらい状況だった。勝ち鞍はそれなりに上がっていたものの、2月末まで重賞未勝利だったのは彼にとって異常事態。今年最初のGI、フェブラリーSで10番人気のテオレーマに騎乗して14着。しかも、勝ち馬が過去6戦続けて手綱を取っていたカフェファラオだったことも、今シーズンを象徴しているように見えた。一番強い馬に乗っているのがルメール、という常識が今年は通用しないぞと、ファンも感じていたはずだ。
サウジカップデー(現地時間2月26日、サウジアラビア王国、キングアブドゥルアジーズ競馬場)が、ルメールの身辺に漂っていた悪い流れを一気に振り払った。重賞4勝の離れ業。全て日本馬に騎乗しての快挙は内外に大きなインパクトを与えた。