草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
35年前、PL学園が伝説になった日…桑田&清原も果たせなかったセンバツ優勝も、キャプテン立浪「力で圧倒して勝ちきったわけではない」
posted2022/03/17 11:05
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Katsuro Okazawa/AFLO
春の訪れを告げる球音が、もうすぐ銀傘にこだまする。今年の選抜高校野球(第94回大会)は、3月18日に浦和学院(埼玉)と大分舞鶴戦で開幕。コロナ禍では2度目の開催となる。
第1回大会が1924年だから、2年後には「春」も100周年を迎えることになる。積み重ねた歴史の分だけ名勝負も繰り返されてきたが、ここではプロ野球の現役監督から振り返っていきたい。
現役監督7/12が甲子園未経験、優勝経験者は…
プロ野球で実績を残してきたエリートの中のエリートが多く、当然ながら高校時代も星のように輝いていたかと思いきや、そうでもない。12人中7人は在学中に甲子園とは無縁だった。選抜に出場したのは巨人監督の原辰徳(東海大相模)、ヤクルト監督の高津臣吾(広島工)、中日監督の立浪和義(PL学園)の3人だけだった。そして見事に優勝しているのが立浪。87年の第59回大会のことである。
PL学園といえば春夏合わせて37度も甲子園に出場し、優勝7度、準優勝4度という昭和の超名門。その最後の優勝が、立浪の代での春夏連覇だった。春は初戦で西日本短大付(福岡)と激突。この年、広島からドラフト2位で指名される好投手・石貫宏臣を擁する難敵を3対1で下している。ちなみにこの試合を観戦していたのが、西日本短大付への入学が決まっていた、ビッグボスこと日本ハムの新庄剛志監督である。
連覇の立浪「今でも覚えているのが…」
続いて広島商は一蹴したが、帝京(東京)との準々決勝、東海大甲府(山梨)との準決勝はどちらも延長戦の接戦を勝ち抜いた。決勝は関東一(東京)を7対1で下し、紫紺の大旗を手にした。