芝　正直、あんまりないですね。

ともしげ　正解のようで不正解。

芝　ただ、わざと間違いにいってるみたいなのは寒いですからね。

――間違えたらウケるもんだから、意図的に間違えるようになってしまうわけですね。

ともしげ　味を占めちゃうんです。僕、すぐ調子に乗っちゃうんで。「おもしろいでしょ」って感じでやると、間違えてるのに「ドヤ感」が出て、急におもしろくなくなっちゃうみたいで。前回（2020年）のM-1でも2回戦のネタがすごいウケて、（同じ事務所の）ナイツの塙さんに褒めてもらったら、今年は行けるぞ、俺はおもしろいんだ！ってなっちゃって。準々決勝、その感じでいったら、ぜんぜんおもしろくなくなっちゃったんですよね……。

――ともしげさんの、ボケてるわけじゃないのにボケになっている、という塩梅がベストなんでしょうね。

芝　「ボケゼロ」が理想です。僕ら、ツッコミとか、ボケとかいう関係性じゃないですもん。

――ファンの方が、芝さんはツッコミではなく保護者だ、みたいなことを書かれていて、少し納得してしまいました。

芝　まあ、そんな感じですね。猿回しみたいだと言われたこともあって、それはショックでしたけど。猿回しって、猿に芸を強制しているようなイメージがあるじゃないですか。うちらの漫才は、僕が強制することって、まずないので。ともしげを自由に泳がせて、僕が後からそれに合わせているだけなんで。

＜#2へ続く＞

（写真＝三宅史郎）

#2に続く

じつは39歳＆38歳“若手でもない”モグライダーに聞く、なぜこれまでM-1決勝に行けなかった？「M-1スタッフは星野リゾートの人みたいでした」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。