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“さそり座の女”モグライダーがいま明かすM-1出番直前の“鼻血事件”「(血を出しながら)ネタ合わせ、やる?」「するわけねーだろ」 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byShiro Miyake

posted2022/03/13 17:00

“さそり座の女”モグライダーがいま明かすM-1出番直前の“鼻血事件”「(血を出しながら)ネタ合わせ、やる?」「するわけねーだろ」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

結成12年でM-1決勝初出場となったモグライダー。芝大輔(ツッコミ担当、38歳、左)とともしげ(ボケ担当、39歳)。ウッチャンナンチャン、出川哲朗、ナイツらと同じマセキ芸能社所属

 まあ、僕らは、そこまで順番を気にしていたわけでもないんですよ。いきなり「出番です」って言われても、その方が都合がいいぐらいの芸風なので。時間に余裕があったからといって、ネタ合わせをするわけでもないですし。ただ、M-1なんでね。その年の漫才の総決算みたいな舞台なんで、そのトップバッターがしくじったら、大会自体が舐められる。それは嫌だなというのはあって。そこは、ちょっと気合いを入れていきましたね。

ともしげ 僕、よくても悪くても、変な風に考えちゃう性格なんですよ。前の人がウケたらウケたでやばいってなるし、スベったらスベったで変な空気になったら嫌だなって考えちゃうし。そういう意味では、トップでよかったのかもしれないですね。

――通常、ネタ合わせはしないのですか?

 通常は、やらなくてもいいんです。ただ、ともしげの状態次第みたいなところがあって、M-1の日は、かかりまくっている雰囲気があったんです。なんで一度、調子を見ておかないとよくない方に出そうだなと思って、放送が始まる前、流れだけでも確認しておこうと思って楽屋に入ったら、こいつが鼻血を出して寝てたんですよ。

――後日、放送されたドキュメンタリー番組『アナザーストーリー』で、その映像が映っていましたね。鼻にティッシュを詰め込んで、床の上に仰向けにゴロンと。

芝 もう、ほんとにあのまんまで。その状態で、ともしげが「ネタ合わせ、する?」って聞いてくるから「しねーよ」って。まあ、鼻血出して、ある程度、(力が)抜けてるみたいだったんで、いいかなと思って。

ともしげ 楽屋に、めっちゃいろんなものが用意してあるんですよ。時間があるんで、栄養ドリンクとか、缶コーヒーとか、カフェイン系の飲み物を摂取しまくっていたら、元気になり過ぎちゃったみたいで……。

――通常、ネタ合わせをやらなくてもいいって、それはそれですごい。

 僕らの場合、間違えないで言えちゃうのがいちばん、怖いんですよ。そこは本当に難しいんですけど。

ともしげ  調子いいのが調子いいんじゃなくて、調子悪いのが調子いいのかもしれない、みたいな。

「猿回しと言われてショックだった」

――確かに2人の漫才(今回は『さそり座の女』)は、ともしげさんが、本気で失敗しているだろう箇所があって、それが持ち味になっていますもんね。でも、「間違えないで言えちゃうのがいちばん怖い」というセリフ、初めて漫才師の口から聞きました。逆転の発想ですよね。みんないかに間違えないかを考えてるのに。褒め言葉として、よく「ノーミス」って言いますけど、モグライダーの場合、それも意味がないわけですね。

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