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FC東京・森重真人キャプテン再就任「俺らが若いときは、というフレーズは絶対に使わない」“ボス感”半端なかった5年前からの変化
posted2022/02/14 17:01
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
F.C.TOKYO
急な呼び出しだった。
チーム始動を前日に控えた1月15日、FC東京で13年目のシーズンを迎える最古参の森重真人はクラブハウスにある監督室に向かっていた。
IT大手「ミクシィ」が経営権を取得し、昨シーズンまでアルビレックス新潟を率いたアルベル・プッチ・オルトネダを監督に迎えた新生・FC東京。チームの変革期に入るにあたり、監督とのいきなりの面談にも「多分、顔合わせみたいなものに違いない」と特に構えていたわけではなかった。
「キミをキャプテンとして考えている。やってくれるか?」
青天の霹靂だった。
2013年シーズンから5年間キャプテンを務めてきたが、5年ぶりに復帰することなど考えもしなかったからだ。だが、指揮官の真っ直ぐな目に、NOという返答はない。わざわざ始動日の前日に呼び出すのだから、新監督がいかにキャプテンを重視しているのかも即座に理解できた。
「もちろんです」
34歳のベテランは、真っ直ぐ目を見返して打診を受け入れた。
森重が知る「キャプテン」の重み
キャプテン経験者ゆえにその重みは分かる。本当の覚悟が決まるまでには数日要したという。森重は語る。
「(覚悟に時間が掛かったのは)まったく予想しなかったことが一番ですけど、自分がキャプテンをやるとはどういうことなのか。自分のなかでこれからの1年間をイメージして、こういう場合はこうしなきゃいけないよな、などと考えていくと2、3日掛かりました。最後には“よし、やるか”と。受け入れてはいたので、悩んだとかそういうことじゃなくて、どうやればいいかっていうところでした」